リフォームでもローン控除が受けられるかも?条件をご説明!
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住み慣れた家に老朽化を感じた時や、今後のためにバリアフリー化を検討している時、二世帯住宅に増築したい時など……リフォームやリノベーションをする前の家族会議で、必ず一度は議題になる”お金”について。
「お金もないしやめておくか」となる前に、住宅ローンの控除について考えてみてはいかがでしょうか。
目次
そもそも住宅ローンとは?
住宅ローンとは、とても簡単にいうと「住宅に関する出費時に、金融機関からお金を借りる(融資を受ける)こと」です。
様々な会社がサービスを提供しており、金利などに違いがあります。
- 住居にするための住宅や土地を購入する時
- 家を新しく建てる時
- 家を増改築する時
- すでに契約している住宅ローンを借り換える時
以上の場合に、特定の銀行や会社から、融資を受けることができます。
今回の記事では、3つ目の「家を増改築する時」の住宅ローンについてお話します。
住宅ローンを安くしたい!
住宅ローンは、「住宅借入金等特別控除」という制度で、減税することができます。
一般的には、「住宅ローン控除」と呼ばれています。
増改築の場合は、「特定増改築等住宅借入金等特別控除」ともいいます。
「控除」とは、ある金額から一定の金額を差し引くことを指し、「減税」と同じ意味です。
住宅ローン控除の種類について
住宅ローンの控除は5種類あります。
- 所得税の控除
- 固定資産税の減額
- 贈与税の非課税措置
- 登録免許税の特例措置
- 不動産取得税の特例措置
所得税の控除に関しては、さらに、「投資型減税」「ローン型減税」「住宅ローン減税」の3つに分けられます。
リフォームやリノベーションの内容によって、受けられる控除の種類が変わります。
住宅リフォームガイドブック(令和元年度版)(pdf)では、工事の種類と適用される控除の種類について、わかりやすく説明されています。
住宅ローンの控除額は、ご自身の住宅ローンの条件はもちろん、法律や税金の関係で変動します。
WEB上にある記事は分かりやすく書かれている反面、情報が古い可能性があります。
政府が運営しているホームページなどで最新の情報も確認しましょう。
国土交通省のホームページ内にある各税制の概要で、住宅リフォームの減税について詳しく記載されています。
住宅ローン控除を受ける条件とは?
「住宅ローン控除」を受けるには、複数の条件を満たしている必要があります。
住宅ローン控除を受けるための条件 | |
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住宅に関して | ・リフォーム、リノベーション完了日から6ヶ月以内に居住し、控除を受ける年の12月31日まで続けて住んでいること ・借り入れした人の年収が3,000万円以下であること ・住宅ローンの返済期間が10年以上あること ・床面積が50平方メートル以上あること ・床面積の1/2以上が自分の居住用であること ・自己所有かつ、自身が居住する家屋であること |
増築・リフォームに関して | ・省エネ改修工事、バリアフリー改修工事、耐震改修工事のいずれかであること ・大規模な修繕、または模様替えであること ・工事費用から補助金(平成23年6月30日以後契約分から)などを差し引いた金額が、100万円以上であること ・居住用部分の改修工事費用が、費用合計の1/2以上であること |
表の中の条件を満たしていれば、「住宅ローン控除」を受けることができます。
リフォームやリノベーション時に、建築時の住宅ローンが残っている場合、併せてローンの切り換えをすることが可能です。
中古で購入した住宅の条件
中古で購入した住宅の場合でも、「住宅ローン控除」を受けられます。
「住宅ローンを受けるための条件」とともに、下記の条件を満たしている必要があります。
- 一定の耐震基準をクリアしていること
- 生計をともにする親族などからの購入ではないこと
- 贈与された住宅でないこと
- 木造住宅の場合は、築20年以内であること
- 鉄筋コンクリートなどの耐火建築物の場合は、築25年以内であること
耐震基準に関しては、以下のいずれかをクリアしていなければ、住宅ローン控除は適用されません。
- 耐震基準適合証明書の取得
- 住宅性能評価書(耐震等級1以上)の取得
- 既存住宅売買瑕疵(かし)保険への加入
居住前に工事をしてしまうと、住宅ローン控除の対象外になってしまいます。購入後、実際に住んでから工事を行いましょう。
住宅ローン控除を受けるための準備
住宅ローン控除は、申告が必要です。
所轄税務署で確定申告を行うことで、住宅ローン控除を受けることができます。
「確定申告は年末調整で会社がやってくれるし……」というわけにはいきません。
住宅ローン控除の場合、会社に勤めている場合でも、個人で確定申告をする必要があります。
リフォームした翌年の2月16日から3月15日までが、申請できる期間です。
事前に必要書類を揃えておきましょう。
必要な書類 | |
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税務署や自治体の窓口から用紙をもらう | 1. 確定申告書 2. 住宅借入金等特別控除額の計算明細書(補助金や贈与の特例がある場合、連帯債務がある場合はそれぞれに対する計算明細書も必要) |
住宅借入金等特別控除額の計算明細書を作成するのに必要な書類 | 3. 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 4. 工事に係る増改築等工事証明書 5. 家屋の登記事項証明書、請負契約書の写し(工事年月日、費用、床面積がわかるもの) |
該当者のみ | 6. 補助金等の額を証する書類、住宅取得等資金の額を証する書類の写し(補助金や贈与を受けた場合) 7. 給与所得の源泉徴収票(給与所得者のみ) |
3〜5(該当する人は6〜7も)の書類を見ながら、2を記入します。
詳しい記入例も記載されているので、決して難しいことではありません。
一度、確定申告を済ませてしまえば、2年目からは年末調整で処理することができます。
年末調整を忘れてしまった場合、1月の間なら、勤務先で年末調整をし直してもらえる可能性があります。
二度手間であるため、拒否されてしまうかもしれません。
その時は、自分で確定申告をしましょう。
- 源泉徴収票
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(住宅ローンの年末残高証明書)
上記2点を用意し、所轄税務署に行きましょう。
リフォームで住宅ローンを活用して、しっかりした増改築計画を!
世の中には、知っていれば得をする、知らなければもったいない制度が、たくさんあります。
少し厄介に感じる住宅ローン控除も、数枚の書類を書いてしまえば、とてもお得な制度です。
リフォーム・リノベーションをする際は、ぜひ活用しましょう。