住宅ローン控除とは?税金の負担を減らす基礎知識と計算方法を紹介

住宅ローン控除は、「マイホームを持とう!」と検討している方が知っておくべき制度です。

特定の条件内で減税が見込めますので、住宅購入時の経済的負担を抑えられます。

新築や中古物件の購入、または増築・リフォームを考えている方に向けて、税金の負担を減らすための、住宅ローン控除の基礎知識と計算方法を紹介します。

住宅ローン控除で税金の負担を減らそう

重税を背負っている男性のイラスト

住宅ローン控除は、正式名『住宅借入金等特別控除(じゅうたくかりいれきんとうとくべつこうじょ)』という制度の、通称名です。

「住宅ローン減税制度」とも呼ばれます。

住宅ローン控除は「マイホームの購入時に住宅ローンを利用した場合、年末時点のローン残高に対し、一定割合の金額を所得税から控除(減税)される」制度です。

住宅ローン控除は、長い歴史の中で、制度の内容が変化しています。

ご自分のマイホーム購入のタイミングに合わせて、制度の最新情報を調べておくといいでしょう。

住宅ローン控除の、最新制度の内容

2020年現在、住宅ローン控除制度では、「2021年(令和3年)12月末までの居住開始から、10年間適用」となります。

各年の控除限度額は40万円です。

ただし、認定長期優良住宅等の場合は、最大50万円の上限となります。

たとえば、一般住宅を購入し、年末時点で「住宅ローンの残高が、3,000万円ある」とします。

この場合、「ローンの返済期間が10年以上ある」ことを条件に、控除率1%に当たる、30万円が税額控除になります。

住宅ローン控除制度の、主な項目は次の6つです。

  • 一般住宅
  • 認定住宅(長期優良住宅、低炭素住宅)
  • バリアフリー改修促進税制
  • 省エネ改修促進税制
  • 三世代同居対応改修税制
  • 耐久性向上改修税制

それぞれの項目での条件を満たすと、住宅ローン控除を受けられます。

住宅ローン控除(減税)はどんな住宅が対象?

木製の家のミニチュア3つと青空

住宅ローン控除を受けるには、6つの項目のどれでも次の条件があります。

  • 合計所得が3,000万円以下
  • 住宅ローンの返済期間が10年(一部、5年間の緩和)

また、新築、中古など、物件によって適用条件が異なりますので、表にまとめました。

主要な条件
新築住宅(マンション・一戸建て)
  • 新築、もしくは取得日から6か月以内に入居している
  • 借り入れした人物の、合計所得金額が3,000万円以下
  • ローンの返済期間が10年以上
  • 登記簿に記載されている床面積が、50平米以上
  • 床面積の1/2以上が、自分の居住スペース
中古住宅(マンション・一戸建て)
  • 新築住宅の適用条件に加え、下記の条件を満たす必要あり
  • 耐火建築物(マンションなど)は、取得時点で築25年以内
  • 耐火建築物以外は、取得時点で築20年以内。また、規定の耐震基準を満たしている
  • 生計をひとつとする親族などからの購入ではない
  • 贈与された住宅でない
増築・リフォーム
  • 新築住宅の適用条件に加え、下記の条件を満たす必要あり
  • 自分が所有権を持ち、居住するための住宅のリフォーム
  • リフォーム内容が、一定の、省エネ・バリアフリー・耐震。または、規模が大きい間取り変更や修繕
  • 工事費用が、100万円を超える
  • 店舗併用の住宅などの場合、居住用スペースのリフォーム費用が、総額の1/2以上

住宅ローン控除(減税)の対象ローンを知っておこう

「LOAN」と書かれたブロックと積まれたコイン

住宅ローン控除は、「住宅購入用の借入金の、全額が控除の対象」とはなりません。

次のような要件を満たすローンが、対象となります。

  • 借入先が、民間の金融機関、独立行政法人住宅引用支援機構、地方公共団体、公務員共済組合などの一定の団体、住宅資金の長期貸付期間を行う法人、勤務先であること
  • 事業主団体から、給料所得者が借り入れる際は、金利が年0.2%以上であること(ただし、役員が会社から借り入れた場合は、対象外)
  • 事業主団体から、給料所得者が利子の補助を受ける際は、補助額を控除した後の利息が年0.2%以上であること
  • 親戚などからの個人的な借り入れでないこと

上記の条件をクリアした、次の融資などが住宅ローン控除の対象となります。

  • 長期固定金利住宅ローン「フラット35」
  • 民間金融機関
  • 財形住宅融資
  • 地方自治体の融資
  • 年利0.2%以上の勤務先の融資

ただし、支払い時期が不明確なものは、控除の対象外となりますのでご注意ください。

住宅ローン控除(減税)で戻ってくる金額とは?計算方法を知ろう

確定申告の書類の記入

住宅ローン控除の計算方法は、次のとおりです。

  • 控除可能額=住宅ローン年末残高×控除率1%

住宅ローン控除の計算は、「年末時の、住宅ローン残高に、控除率1%を乗じる(掛け算する)」とおぼえておきましょう。

また、「控除可能額は、『年末のローン残高』と『最大控除額』の、いずれか小さい方の額が適用」されます。

たとえば、年末の住宅ローン残高が「3,000万円」の場合、1%が控除されるので、控除可能額は30万円です。

住宅ローン控除の最大額は「40万円」ですので、この場合は30万円が控除可能額となります。

もし、年末の住宅ローン残高が「5,000万円」ならば、1%が控除されると計算上では「50万円」となります。

しかし、住宅ローン控除の最大額「40万円」を超えているので、この場合は40万円が控除可能額となります。

住宅ローン控除(減税)をシミュレーションしてみよう

『住宅ローン年末残高×控除率1%』で算出されるのは、あくまで控除可能額です。

控除可能額は、その金額すべてが戻ってくるわけではなく、所得税と住民税の枠内で戻ってくる金額が左右されます。

住宅ローン控除額の計算(年間)の説明図

上の例で見ますと、本来の納税額は「所得税:8万円」と「住民税:18万円」で、合計26万円になります。

この26万円が、実際に納めた税額ですので、26万円以上の金額は戻りません。

また、所得税に対する上限額はありませんが、住民税に対する上限額は「13万6500円」と決められています。

以上から、実際に戻ってくる控除額は、次のとおりです。

  • 所得税【8万円】 + 住民税【上限額:13万6500円】=21万6500円

住宅ローン控除(減税)の手続き方法

「確定申告!」と書かれたノート

住宅ローン控除は、確定申告の「還付申告」に該当します。

入居した年の、翌年1月1日から3月15日まで申告できます。

確定申告期間中は税務署が混みあうので、早めに準備をして税務署に出向くか、e-TAXでの電子申告をおすすめします。

確定申告に必要な書類は、主に次のとおりです。

確定申告の提出書類 入手先など
1 確定申告書 国税庁「確定申告書等作成コーナー」
2 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
3 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(原本) 金融機関から必要な時期に届く
4 住宅の登記事項証明書(原本)

住宅の請負契約書の写しまたは売買契約書の写し

登記事項証明書は、一般的に住宅会社から渡される
5 土地の登記事項証明書(原本)(マンションの場合は不要)

土地の分譲に係る契約書の写し

土地の購入にかかわるローンについて、控除を受ける場合に必要
6 源泉徴収票(原本) 勤務先で入手
7 マイナンバーカード(原本提示または写しの提出) マイナンバーカードがない場合は、国税庁「確定申告特集」を参照

不明点は、早めに国税庁のWebサイトを確認したり、税務署で相談したりすることで、スムーズに申告できます。

住宅ローン控除(減税)を受ける際の注意点

「注意!」と赤字で書かれた紙

住宅ローン控除を受ける条件のひとつに、「ローンの返済期間が10年以上」となっています。

もし、繰り上げ返済をする場合、全体の返済期間が10年を切ると、住宅ローン控除の対象から外れます。

また、住宅ローンの金利によっては、繰り上げ返済がメリットにならないケースがあります。

繰り上げ返済を検討する場合は、ローンの金利や期間内の控除額を計算して、節約効果があるかを確認しましょう。

住宅ローン控除で税金の負担を軽減しよう!

住宅ローン控除は、計算や書類対応など、手間が必要なものです。

しかし、長期的に見れば税金の負担を軽減でき、結果、新居での生活費のプラスになります。

新築や中古物件の購入、または増築・リフォームを考えている方は、ぜひ住宅ローン控除を理解しておきましょう。