中古戸建住宅のリノベーション費用はいくら?目安と対策を完全解説
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「中古の戸建住宅をリノベーションしたいけど、いくら費用がかかるのだろう?」
中古住宅のリノベーションは、工事の規模や築年数によって費用が変わります。
本記事では、中古の戸建住宅をリノベーションする際の費用や費用の抑え方を紹介します。
築年数で見る中古戸建住宅をリノベーションする場合の費用
中古戸建住宅を購入し、リノベーションする上で注意したいのが築年数です。
一戸建てのリノベーションはマンションと違い、建物の構造部分に触るため、築年数が経過するほど根本からの工事が必要です。
建物の劣化が激しいほど、多くの箇所をリノベーションする必要があるため、築年数や劣化の具合によって、リノベーションにかかる費用は大きく変わるので注意しましょう。
新築に比べて費用が安いリノベーションでも、築年数によっては予算を大幅に超えてしまう場合があります。
築15年~築30年の戸建てリノベーションの種類と費用
築15年から築30年を経過した戸建て住宅とはどのようなものでしょうか。
各設備や塗装の寿命から考えます。
給湯器の寿命が10年程度であるといわれており、故障が起き始める目安です。
外回りの塗装は目に見えて劣化がわかります。
外壁の汚れが目立ち始め、スレート屋根の劣化や、コロニアル瓦などに苔などが付着し始める時期もこの時期からです。
室内に注目すると、全体的な内装の汚れやリビング・キッチンの床の傷がなど目立ち始め、水周り設備は故障こそしていないものの、快適な機器を求めて最新の設備機器に更新したい頃合いではないでしょうか。
築15年~築30年の戸建てリノベーションは、どちらかというと機能改善、メンテナンス的な工事の種類が多く「リフォーム」にあたる工事が大半です。
各設備をリフォームした場合、バス・キッチン・トイレを合わせてリフォームしたとしても、費用は200~300万円前後で収まります。
各設備単体で見ると、価格帯が低く100万円前後あれば足りるため必要な箇所だけリフォームするのもおすすめです。
築30年~築40年の戸建てリノベーションの種類と費用
築30年から築40年までの建物は耐震基準がポイントとなります。
1981年6月1日に建築基準法の施行令改正が行われ、日本の耐震基準は大きく変わりました。
リノベーションを検討している建物が、旧耐震基準か新耐震基準かで、耐震性は大きく変わります。
旧耐震基準の建物の特徴として、構造の接合部がくぎ打ち程度となっている建物が多く、金物を使った施工に関する明確な規定がなかったため、施工にばらつきがあります。
また、この時代の建物は現在の建物に比べ、断熱性能も低いです。
断熱性を高める為にも内部のスケルトンリフォームは実施したいです。
築年数30年から築40年の建物を戸建てリノベーションをする際には、内壁をすべて解体し再生するリノベーションが推奨されます。
物件の内装のみをリフォームする場合、坪数にもよりますが、費用は700~2000万円くらいではないでしょうか。
このあたりの価格になってくると、金額も大きいので施工事例などの情報をしっかり調べてからリフォーム会社へ依頼しましょう。
築40年~築50年の戸建てリノベーションの種類と費用
最後に築40年から築50年の建物は、どのような戸建てリノベーションが必要で、費用はいくらかかるのかを見ていきます。
築40年を超える建物は、旧耐震基準で建てられた建物です。
旧耐震基準で建てられた建物は新耐震基準以降に建てられた建物と比べ、壁量が不足しており無筋基礎となっている場合がほとんどです。
その場合は耐震補強計画上、基礎補強が必須となります。
また、外壁の傷み具合がひどい建物やサッシが木製の単板ガラスなどの建物は、内部をスケルトンしたうえで、外側からも補強ができるように、内壁から外壁までを解体する戸建てリノベーションがおすすめです。
しっかりとしたリノベーションを行うことで、住まいの断熱性能や耐火性能の向上も図れます。
大がかりなリノベーションとなるので費用は1000~2500万円ほどかかります。
中古戸建住宅リノベーションでも使える制度で費用を抑える
中古住宅をリノベーションするためには、中古の物件購入費用だけでなく、リノベーション工事費用も必要です。
その分ローンを使ったり、補助金・減税制度をうまく利用したりすることで費用を抑えられます。
中古戸建住宅リノベーションで使えるローンの種類
中古戸建住宅をリノベーションするのに使えるローンは、3種類あります。
1.「住宅ローン」
2.「リフォームローン」
3.「リフォーム一体型住宅ローン」
「住宅ローン」と「リフォーム一体型住宅ローン」は、融資の目的が違う程度で、借入可能な金額などの条件は同じです。
金融機関ごとで差はありますが、「リフォームローン」との違いは以下の通りです。
住宅ローン/一体型ローン | リフォームローン | |
審査に必要な期間 | 2週間~1ヶ月 | 1日~1週間 |
借入金額の上限額 | 5,000万~1億円 | 500~1,000万円 |
借入可能な期間 | 最長35年 | 最長10~15年 |
金利相場 | 約1~2% | 約2~5% |
これから物件の購入を検討しているなら、住宅購入費とリノベーション工事費を同時に借入できる「一体型ローン」がおすすめです。
減税制度
減税制度には、以下の4つがあります。
適したものを活用しましょう。
①住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
父母や祖父母などから、住宅の取得またはリノベーションのための資金を贈与された場合、既定の条件を満たすと、「贈与税」が一定額まで税金がかからない制度。
②住宅ローン減税
中古物件購入やリノベーションのためにローンを借りた場合、10年の間年末のローン残高の1%を「所得税」から控除する制度。
③住宅リフォームに係る減税制度(所得税)
特定のリフォーム費用の10%を、その年の「所得税」から減額するか、1~5年間、ローン残高の1%+αを「所得税」から控除できる制度。
(ただし特定の工事を実施する際、リノベーション目的のために借りたローンがある場合に限る)
④住宅リフォームに係る減税制度(固定資産税)
1年間、土地や建物に対して課税される「固定資産税」を30~60%軽減できる制度。
補助金制度
補助金の制度としては、中古住宅の購入時に受給できる「すまい給付金」や、高性能な長期優良住宅へリノベーションする際に対象となる「長期優良住宅リフォーム推進事業」などがあります。
すまい給付金は中古住宅購入時に収入に応じ、現金が給付されます。
基本は住宅ローンを利用する場合が対象ですが、50歳以上の場合は、住宅ローンの利用がなくても給付金を受け取れます。
長期優良住宅リフォーム推進事業は、リノベーションで耐震性や、省エネ性能が高い「長期優良住宅」へ改修する場合に限り、補助金が給付されます。
全国共通の制度の他に、その土地ごとに補助金はあるので、しっかり調べて有効に活用しましょう。
理想の家のため中古戸建住宅のリノベーション費用を知ろう
中古戸建住宅のリノベーション費用の目安はわかりましたか?
中古住宅のリノベーションは適切に行えば新築より安くなりますが、こだわりすぎると高くなってしまいます。
ローンや補助金も活用して、理想のリノベーションハウスを手に入れましょう。