茶道の作法やマナーとは?初めてお茶会に出席する人向けの基礎知識

今までに一度も茶道に触れたことがない方なら、お茶会に参加しても緊張ばかりで楽しむことができないかもしれません。

しかし、まずは基本の要素を知ることで、喫茶(きっさ、お茶を飲むこと)の作法を身につけることにつながります。

お茶会に出席する前に覚えておきたい基礎知識をまとめました。

茶道の作法1.お茶会に出席するときの服装は?

着物 女性

まず気になるのが、お茶会に出席する際の服装なのではないでしょうか。

お茶会といえば日本古来の和装で行くイメージがありますが、普段から着物を着慣れていない方にとっては、着物を着ること自体が負担に感じるかもしれません。

実際のところ、「お茶会は着物で参加しなくてはいけない」というルールはありません。

ただし、あまりにもカジュアルな洋服や露出の多い服装は避けましょう。

男性は着物か長ズボン、女性は落ち着いた色合いで柄が少ない訪問着や色無地の着物かワンピース、ロングスカートなどの正座をしたときに膝が見えない服装で出向いてください。

男性は、季節を問わずジャケットを着用していることが好ましいです。

お茶をいただく前にお辞儀をするため、女性は胸元が開いていない上衣を着用します。

アクセサリーは、動くと音がしたり茶碗等を傷つけたりする可能性があるものは身につけないようにしましょう。

結婚指輪や小さなピアス程度ならお茶会の席にもOKです。

白い靴下か足袋は必須

畳の上を歩きますので、裸足はNGです。

カジュアルなお茶会の席ならタイツやストッキング、色靴下でも本来は問題ありませんが、悪目立ちする可能性があるため、できれば白い靴下を携帯し、靴を脱いで上がる際に着用しましょう。

夏、サンダルや下駄でお茶会に出席するときも、白靴下か白い足袋を携帯し、玄関先でスマートに着用してください。

茶道の作法2.お茶会に用意しておく持ち物は?

茶道 お茶会

靴下と足袋以外にも、お茶会に持っていくほうが良いものがあります。

一般的に「茶道の七つ道具」と呼ばれるものです。

茶道の七つ道具 紹介
(各画像は一例・イメージです)

茶道の七つ道具
道具名 読み 用途
扇子 せんす 挨拶時に使用(茶道では、決してあおがない)
帛紗(袱紗) ふくさ 茶器を取り扱うときに用いられる布
古帛紗 こぶくさ お茶をいただく際の敷物、拝見時に使用
懐紙 かいし 菓子入れ、金銭包み、道具拭きなど、さまざま
楊枝 ようじ お菓子をいただく際に使用
楊枝入れ ようじいれ 楊枝を入れておく袋。「鞘」(さや)とも呼ぶ
帛紗ばさみ ふくさばさみ 他の道具をしまう袋

しかし、帛紗と古帛紗、帛紗ばさみは、客としてお茶会に出席するときには必要がないことも多く、扇子と懐紙、楊枝、楊枝入れの4点だけでも問題ありません。

扇子・懐紙・楊枝・楊枝入れの4点セットを用意しておこう

扇子はお茶会用のもので、男性用の長さは6寸(約18㎝)、女性用の長さは5寸(約15センチ)が一般的です。

しかし、表千家のお茶会では、男女ともに6.5寸(約19.5㎝)のものを使いますので、両方持っておくと便利です。

懐紙は、客として呼ばれたときには白無地のシンプルなものを持っていくようにしましょう。

柄物や透かしが入った懐紙も増えていますが、お茶会ではなく自宅でお茶菓子を載せるときに使うようにしてください。

また、お茶会によっては、お菓子を食べるときに楊枝が用意されていることがありますが、何もないことも珍しくありません。

薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)などの手につかないお菓子なら、手で持って食べても問題ありませんが、練り切りなどのように手で食べることにふさわしくないお菓子が出てくる可能性があります。

「黒文字」と呼ばれる太いお菓子用の楊枝と楊枝入れを持っていくほうがスマートに食べられるでしょう。

なお、楊枝入れは楊枝とセットで販売されていることが一般的です。

扇子や懐紙と共に茶道具を扱うお店で購入することができますが、大きめの百円ショップやコンビニ、キオスクなどでも買えることがあります。

茶道の作法3.お茶会の流れをつかんでおこう

鹿威し

お茶会に白靴下と扇子、懐紙、楊枝、楊枝入れを持っていくだけでも、気持ちに余裕を持って楽しめるでしょう。

しかし、お茶会の流れを知っておくなら、さらに余裕を持って過ごすことができます。

<お茶会の流れ【食事あり】の場合>

  1. 待合で待つ。着替えをする寄付待合(よりつきまちあい)に行ってから、腰掛待合(こしかけまちあい)で待つこともある
  2. 蹲(つくばい)で手と口を清める
  3. 独立した茶室の場合はにじり口から、家の中の茶室の場合はふすまを開けて入室する
  4. 床の間に飾られた花や掛け軸を拝見する
  5. 炉と釜、炭を入れる様子を拝見する
  6. 懐石料理があるときは、食事を食べる
  7. お抹茶(濃茶)をいただく
  8. お菓子をいただく

食事がないときはシンプルな流れで

食事がないお茶会では、基本的には、濃茶ではなく薄茶(うすちゃ、お薄と呼ぶこともある)を飲みます。

薄茶を飲むときは、先にお菓子をいただきます。

飲み方は流派によって異なりますので、かならず正客や次客の様子をしっかりと見ておきましょう。

<お茶会の流れ【食事なし】の場合>

  1. 待合で待つ
  2. 蹲で手と口を清める
  3. 独立した茶室の場合はにじり口から、家の中の茶室の場合はふすまを開けて入室する
  4. 床の間に飾られた花や掛け軸を拝見する
  5. 炉と釜、炭を入れる様子を拝見する
  6. お菓子をいただく
  7. お茶(薄茶)をいただく

茶道の作法4.茶室への入り方や座る位置などの基礎知識

日本家屋

独立した茶室に入るときは、にじり口と呼ばれる約66㎝四方の入口から入ります。

自然と頭が下がるため、亭主に感謝の気持ちを表現できるだけでなく、小さな入口から入ることで茶室自体が大きく感じられるという効果があります。

家の中の一室を茶室として使用するときは、ふすまを開けて入ります。

正座をして片手でふすまに手をかけ、一礼してから入室しましょう。

初心者は最初と最後の席入りは避けよう

最初に入室する客は亭主のそばに座り、「正客(しょうきゃく)」となります。

正客とはもっとも重要な役割を果たす客で、亭主に茶碗やお茶の銘を尋ねるなど、お茶会をリードしていく存在です。

また、最後に入出する客は「末客(まっきゃく)」と呼ばれます。

お茶菓子の皿やお茶碗を適切に片付けたり、ふすまを閉めたりなどの役割があるため、初心者には難しいかもしれません。

お茶会によっては、正客の横に座る次客にも役割があることがあります。

初心者は正客と次客、末客を避けて座に座るようにしましょう。

茶道の作法は流派によって違いあり!茶道教室や体験会を活用しよう

茶道風景

一般的な作法について解説しましたが、流派によっても作法やお茶会の流れは異なります。

詳しく極めたい方はカルチャーセンターや市民講座などで茶道を学んでみてはいかがでしょうか。

定期的に通うことが難しい方は、茶道の体験会に何度か足を運ぶのもよいかもしれません。

誰もが最初は初心者です。

知らないことを恥ずかしく思うのではなく、積極的に体験して作法を身につけていきましょう。

茶道の作法は、意味を理解して経験を重ねて身につける

茶道の作法は、最初は複雑に思えるかもしれません。

しかし、一つひとつの作法には意味があり、合理的な動きとなっています。

いきなりお茶会に出るのは難しくても、まずは体験会や身近な教室で経験を積んでみることをおすすめします。