移民問題とは?わかりやすく日本や外国の政策、難民との違いを紹介

2019年4月、改正出入国管理法が施行されました。

改正法では外国人労働者の受け入れを拡大し、熟練技能を持つ労働者は家族の帯同や永続的な在留資格の更新が可能です。

しかし、移民について、まだまだ理解が進んでいないのが現状です。

移民問題とは何か、そして、難民との違いについてわかりやすく解説します。

移民問題とは

移民問題とは

移民問題とは、外国から人々が移住してくることによって起こる問題です。

たとえば、日本では人口減少などから、労働力不足が深刻な問題になっています。

しかし、労働力を外国人に求めることで、非合法に入国する人が増えたり、所得格差の問題や社会保障をどこまで適用するのかといった問題が生じたりしています。

また、外国人労働者は低賃金で働くことが多いために生活苦になりやすく、犯罪増加や治安悪化を招くケースも少なくありません。

その他にも、家族で移住する場合や、移住先で子どもが生まれた場合には、子どもの養育問題や就学問題も生じることがあります。

移民と難民は何が違う?

移民とは、「本来の居住地から移動して生活している人」のことを指します。

厳密には国内で移動した人も「移民」と呼びますが、一般的には国境を越えて移動した「国際移民」だけを指すことが多いです。

一方、「難民」は、「紛争や迫害などによって、本来の居住地を離れざるを得なかった人」のことを指します。

移民は経済的な理由などから自主的に移動しているのに対し、難民は移動を余儀なくされている点が異なります。

なお、不法な手段で外国に入国し、在留資格を持たないまま滞在している人は「不法移民」です。

合法な手段で入国し、在留期間が過ぎているのにそのまま滞在している人も、不法移民と呼ばれます。

移民を送り出している国、受け入れている国

移民を送り出している国、受け入れている国

次の表は、国際連合広報センターが公表した、移民受入国と移民出身国の各TOP5をまとめたものです。

移民受入国 移民出身国
1位 アメリカ合衆国(5,100万人) インド(1,800万人)
2位 ドイツ(1,300万人) メキシコ(1,200万人)
3位 サウジアラビア(1,300万人) 中国(1,100万人)
4位 ロシア連邦(1,200万人) ロシア連邦(1,000万人)
5位 イギリス(1,000万人) シリア・アラブ共和国(800万人)

<参考:国際連合広報センター「国際移民は世界全地域で増大を続け、2億7,200万人に達する、と国連が予測」

アメリカは、世界全体の移民(国境を超える国際移民のみをカウント)の約19%を受け入れています。

続いて、ドイツとサウジアラビア、ロシア連邦、イギリスが海外からの移民を多く受け入れています。

総人口における移民の人口が多いのは、オーストラリアやニュージーランドを含むオセアニア地域です。

実に20%を超える人が移民出身です。

続いて北米が多く、総人口中の約16%を移民が占めます。

一方、移民を送り出している人数が最多の国はインドです。

メキシコ、中国、ロシア連邦、シリア・アラブ連邦がそのあとに続きます。

なお、移民の7人に1人は20歳未満で、とりわけサハラ以南は若年層の移民流入が多いです。

移民問題は世界的な課題となっている

移民問題は世界的な課題となっている

他地域から移住してくる人が増えることで、受入側に問題が生じることがあります。

とりわけ不法移民は、問題の焦点になることが多いです。

たとえば、不法移民は不法な手段で滞在しているため、病気やケガをしても医療サービスを受けられないことがあります。

また、子どもが適切な教育を受ける機会を得られず、貧困の連鎖を助長してしまうこともあるでしょう。

移民問題【ヨーロッパの場合】

中東地域やアフリカから、ヨーロッパに移住する人は少なくありません。

正規の手続きを踏まずに国境を越えてくる不法移民や難民も多く、地域住民とのトラブルを引き起こすこともあります。

そのため、昨今、イギリスやフランスなどのヨーロッパ各国では、移民排斥の動きが高まっています。

「移民に職を奪われる」「移民が増えることで社会保障制度が破綻する」といった危機感を持つ人が増えており、移民排斥を掲げる政党が支持を伸ばす傾向にあります。

移民問題【アメリカの場合】

移民問題【アメリカの場合】

アメリカでは、メキシコとの国境から入国する不法移民についての議論が続いています。

アメリカでは、不法に入国した場合でも「難民申請」さえ提出すれば、審議期間中はアメリカ国内に滞在して働くことが認められています。

そのため、とにかくどんな手段を使ってもアメリカに入国し、すぐに国境警備当局に出向いて難民申請をおこなうパターンが増えているのです。

メキシコ国境から入国する不法移民は、主にホンジュラスとグアテマラ、エルサルバドルの中米の国々出身の人々です。

不法移民の数は年々増え、行政の施設だけでは収容できず、教会やボランティアの力を借りなくてはならないほどになっています。

移民問題【日本の場合】

日本では、人口減少による労働力不足の状態が続いていて、移民は主に労働人材として捉えられています。

2019年4月から施行されている改正出入国管理法では、技能実習生や一定の日本語スキルやビジネススキルがある外国人は、「特定技能1号」として業務に従事できるようになりました。

また、技能試験を受験して「特定技能2号」になると、家族を呼び寄せたり、在留期間を更新したりすることができるようになります。

しかし、日本語を話せないと言葉の壁が立ちはだかるため、スムーズに技能を習得できないことも少なくありません。

また、ブローカーを通して来日している移民の場合、法外な手数料が搾取されたり、本来の給与を受け取れなかったり、劣悪な住環境に身を置かなくてはならなかったりするケースも見られます。

移民問題の今後の課題

移民問題の今後の課題

政治的混乱や経済不況などの理由により、出稼ぎ労働者として外国に流入する移民も増えています。

合法的に手続きをして移住し、正当な労働の対価を受け取れれば良いのですが、悪質なブローカーや人身売買業者が間に入ることで、移民する前よりも不幸な状態になってしまうこともあります。

低賃金で長期間働いた挙句、在留許可を得ないまま不法に滞在し、社会保障を得られず、医療や教育、年金などを利用できないケースも珍しいことではないのです。

また、難民の受け入れに対しても、人道的な立場から、各国が積極的に受け入れを検討すべきと言えます。

困っている人に手を差し伸べられるように、制度を見直し、定住できる仕組みを構築していく必要があるでしょう。

移民問題は日本も他人事ではない!知識を持って注目してみよう

島国という立地上の条件から、日本は「移民」や「難民」についての意識が希薄な傾向にあります。

しかし、すべての人が幸せに暮らすためには、国という垣根を越えて世界が協力しなくてはいけません。

移民問題を他人事と思うのではなく、自分自身の問題として考えていきましょう。