義務教育とは?新しい教育制度のメリットやデメリットも解説

日本の義務教育とは、教育を9年間受けることです。

初めの6年間は小学校で学び、残り3年間は中学校で学ぶことが、憲法や法律に書かれています。

義務教育は、社会で生きていくために必要な能力を育てるために行われます。

お子さんがいる方も、将来子どもがほしい方も、義務教育は避けられませんので、参考にしてください。

義務教育とは?

義務教育とは?

義務教育について、日本国憲法の第26条第1項には「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と書かれています。

つまり、「国民は教育を受ける権利がある」ということです。

また、教育基本法の第2章第5条第1項には「国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う」と書かれています。

つまり、「国民は、保護している子に普通教育を受けさせる義務がある」ということです。

また、学校教育法の第16条には「保護者は、次条に定めるところにより、子に9年の普通教育を受けさせる義務を負う」と書かれています。

つまり、「保護者は、子どもに普通教育を9年間受けさせる義務がある」ということです。

  • 日本国憲法にて「国民は教育を受ける権利がある」
  • 教育基本法にて「国民は保護している子に普通教育を受けさせる義務がある」
  • 学校教育法にて「保護者は子どもに普通教育を9年間受けさせる義務がある」

義務教育の目的

義務教育は、教育基本法第5条第2項に「義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする」と書かれています。

つまり義務教育の目的は、「各個人の能力を伸ばしながら社会で自立的に生きる基礎を培い、また、国家と社会をつくる者として必要な基本的な資質を養う」ということです。

義務教育を受けるのは国民の権利です。

また、保護者は子どもに教育を受けさせる義務があります。

義務教育は、子どもたちが社会に出て幸せに暮らせるように、人格の形成や基礎的な能力を育てるためものです。

子どもたちが十分な教育を受けなければ、働いてお金を稼ぐことが難しくなります。

義務教育を受けることで、社会のルールを学び、日々の生活を送ることができます。

義務教育は子どもではなく保護者の義務

憲法や法律に書いてあることから、義務教育の「義務」は子どもが教育を受ける義務ではなく、保護者が子どもに教育を受けさせる義務だとわかります。

よって、子どもが学校に行かなくても憲法違反や法律違反にはなりません。

しかし、保護者が子どもを働かせたり拘束したりして学校に行かせない場合は、学校教育法施行令第21条により、教育委員会から督促が来るようです。

学校になじめない、授業についていけないなど、様々な理由で学校に通えない子どもが増えています。

フリースクールや教育支援センター(適応指導教室)への通学も出席日数としてカウントする学校もありますので、まずは担任の先生に確認しましょう。

学校教育法施行令第21条 市町村の教育委員会は、前条の通知を受けたときその他当該市町村に住所を有する学齢児童又は学齢生徒の保護者が法第十七条第一項又は第二項に規定する義務を怠つていると認められるときは、その保護者に対して、当該学齢児童又は学齢生徒の出席を督促しなければならない。

義務教育で学ぶ内容

義務教育で学ぶ内容

義務教育では9年間の普通教育を学びます。

普通教育とは、社会で自立するために、必要な基礎を培って、資質を養うものために学ぶ内容です。

小学校や中学校における教育課程は、学校教育施行規則に書かれています。

  • 国語
  • 社会
  • 算数
  • 数学
  • 理科
  • 音楽
  • 図画工作
  • 美術
  • 体育
  • 保健体育
  • 技術
  • 家庭
  • 道徳
  • 外国語活動
  • 総合的な学習
  • 特別活動

学校教育法施行規則第50条第1項 小学校の教育課程は、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭及び体育の各教科、道徳、外国語活動、総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする。

学校教育法施行規則第72条 中学校の教育課程は、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭及び外国語の各教科、道徳、総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする。

義務教育で入学が指定されるのは市町村の公立学校

義務教育で入学が指定されるのは、住んでいる市町村にある公立学校です。

義務教育とは国民の権利でもあり、保護者の義務です。

経済的な要因によって義務教育が受けられないことがないように、日本国憲法第26条第2項で「義務教育は、これを無償とする」と書かれています。

義務教育では授業料と教科書が無料

義務教育は国民の権利であり保護者の義務なので、「義務教育は、これを無償とする」と記されています。

「これを無償」とは授業料が無償ということです。

しかし、授業料以外の費用は各家庭にて負担しなければいけません。

ただし、教科書は「義務教育諸学校の教科用図書の無償に関する法律」と「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」によって義務教育段階では無償で給付されます。

つまり、義務教育中は授業料と教科書は無料です。

教育基本法第5条第4項 国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しない。

義務教育諸学校の教科用図書の無償に関する法律(無償法)第1条 義務教育諸学校の教科用図書は、無償とする。

義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律(無償措置法)第3条 国は、毎年度、義務教育諸学校の児童及び生徒が各学年の課程において使用する教科用図書(中略)を購入し、義務教育諸学校の設置者に無償で給付するものとする。
義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律(無償措置法)第2条第1項 この法律において「義務教育諸学校」とは、学校教育法に規定する小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程並びに特別支援学校の小学部及び中学部をいう。

義務教育学校とは?

義務教育学校とは?

義務教育学校とは、簡単に言うと「小中一貫教育を行っている学校」のことです。

小中一貫教育のメリットには、異学年交流による精神的な成長があります。異なる学年との交流により、社会に出たときの自立性を養います。

また、中学校に進学したときに起こる「中1ギャップ」の解消や緩和ができます。

小学校と中学校では学習環境や人間関係が大きく変わります。

なので、小学校と中学校を分けた義務教育では、小学校と中学校の間にギャップが生じます。

同じ義務教育である小学校と中学校をつなげることで、中学校へ円滑に移行できます。

小中一貫教育のメリットとは?

小学校と中学校が一貫して教育が行われます。

小中一貫教育のメリットは、9年間の系統的かつ継続的な学習によって教育効果が高まることです。

小中一貫教育では、小学校と中学校で学ぶ内容の連続性に配慮して、教育カリキュラムを作成しています。

その他にも、教科内や教科間の学習内容の関連性を考慮して、指導の順序や指導内容を工夫しています。

理解が難しい生徒やつまずきやすい内容は、後の学年でも繰り返し指導をします。

異学年交流による精神的な発達

小中一貫教育では小学1年から中学3年に相当する生徒(1年生から9年生)が同じ学校で学びます。

1年生から9年生までの児童生徒が学校行事を通して異学年交流を行うことで、上級生から下級生に対する思いやりの心や、上級生・下級生の規範意識等の醸成が期待されます。

また、異学年交流によって精神的な発達や社会性の育成の効果が期待されます。

継続的な生徒に対する指導

義務教育学校では小学校と中学校が1つの学校となり、9年間継続して児童生徒に対する指導が行われます。

そのため、教員間で児童生徒の情報を共有しやすく、個性に応じたきめ細やかな指導ができるようになります。

義務教育学校のデメリット

義務教育学校のデメリット

義務教育学校のデメリットとして、小学校と中学校が別々の場合は小学校6年生が最高学年としてリーダーシップを期待される機会がありますが、それが失われてしまうことです。

また、中高一貫教育との整合性が取れないことも挙げられます。

中高一貫教育と整合性が取れない

義務教育学校の特徴である小中一貫教育は、日本で盛んな中高一貫教育と整合性が取れません。

日本では大学への進学実績等から、中学受験が盛んな地域では中高一貫教育・中高一貫校の方が重要だと考えられています。

そのため、中学受験が盛んな地域では、義務教育学校のメリットよりもデメリットのほうが大きいと考えられているようです。

公立は基本的に高校受験が必要となる

公立の義務教育学校は高等学校とは一貫していないので、高校受験が必要となります。

小中一貫教育では、中高一貫教育のメリットが無いため、やはり、小中一貫教育をとるか中高一貫教育を選ぶかという問題があります。

選抜がない場合には教育効果が薄れる危険がある

公立の義務教育学校は義務教育の就学指定の対象となり、入学者の選抜が行われないため、生徒の学力の水準にばらつきが生じます。

生徒によって理解度や成長度合いが異なるため、9年間で学力の差が拡大していく可能性が高く、生徒間の学力差が生じた場合には、生徒の理解度に応じて授業を行う必要が出てくるため、教育効果が薄くなる危険があります。

小1と中3は差があり交流に課題がある

小中一貫教育では小学1年生(1年生)から中学3年生(9年生)の生徒が在籍しています。

学校行事や活動で異学年の交流や学年の縦割り活動などがあります。

しかし、低学年と中学生の高学年では発達段階に差があります。

身体や心の発達段階が大きく違うため、子どもたちだけでの交流は難しいと思われます。

義務教育とは9年間普通教育を受けること

日本の義務教育は普通教育を9年間受けることです。

最初の6年間は小学校に、残りの3年間は中学校に通うことが義務教育です。

義務教育とは普通教育を9年間受けて、社会で生きていくための最低限必要な能力を育てます。

また、一般的な小学校・中学校と義務教育学校などの小中一貫教育の特徴に違いもあるので、互いのメリットを把握して、子どもにどのような義務教育を受けさせるか考えましょう。