大麻取締法違反とは?芸能人逮捕で気になる、内容・時効・懲役を解説

次々と著名人が大麻取締法違反で逮捕されています。ところで、大麻取締法とはどのような法律なのかご存知ですか?

大麻取締法の内容と処罰、公訴された場合の時効についてまとめました。

海外やクラブなどで大麻が簡単に手に入る世の中だからこそ、大麻取締法についての知識を深めておきましょう。

大麻取締法とは

大麻取締法 違反

大麻取締法とは、大麻の所持・譲渡・譲受・栽培を禁止する法律です。

以下の行為をおこなっていることが判明すると、大麻取締法違反として検挙されます。

<大麻取締法で取り締まられる行為>

  • 所持(大麻を持っていること)
  • 譲渡(大麻を第三者に渡すこと)
  • 譲受(大麻を第三者から受け取ること)
  • 栽培(大麻を育てること)

大麻とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)と大麻草から作られる製品を指します。

なお、大麻は「マリファナ」と呼ばれることもあります。

ただし、大麻草の茎から作られる繊維製品や種子は、保有したり第三者に渡したりしても大麻取締法違反には当たりません。

<参考:厚生労働省「今、大麻が危ない!」

なぜ大麻取締法では「使用」は処罰されない?

処罰

大麻草に含まれるテトラヒドロカンナビノール(THC)という成分は、体内に摂取されると幻覚を引き起こしたり記憶や学習能力の低下をもたらしたりすることがあります。

ところで、THCは大麻草全体に含まれているわけではありません。

大麻草の花や葉、樹液の部分にはTHCは多く存在しますが、種子や成熟した茎にはほとんど含まれていないのです。

そのため、種子は七味唐辛子などの香辛料に、茎は織物などに利用され、わたしたちの日常生活に深く根付いています。

種子や成熟した茎を体内に摂取した場合でも、尿検査をおこなうと微量にTHCが検出されることがあります。

とはいえ、尿検査で検出されたTHCが大麻草の種子由来か樹液や葉花由来かを見分けることはできないため、大麻草を使用していること、つまり、尿検査でTHCが検出されることに関しては大麻取締法では処罰されないことになっています。

なお、ニュースなどでは「大麻使用の現行犯逮捕」という風に報道されることがあります。

これはあくまでも「大麻を所持している」ということに対して逮捕が決まったのであって、「大麻を使用している」ということに対して罪を問われているわけではありません。

大麻取締法違反になるとどうなる?

大麻取締法 違反

大麻取締法違反で逮捕されると、通常、72時間は身柄を拘束され、勾留が決まるとさらに最大20日間拘束されることになります。

勾留期間中に起訴されると、保釈が認められない限りは拘束を解かれることがありません。

なお、保釈が認められず、裁判でも執行猶予が認められないときは、逮捕から懲役期間が終了するまで拘束状態が続きます。

大麻は証拠隠滅が可能なため、ほかの容疑で逮捕された場合と比べると拘束期間が長引く傾向にあるのです。

大麻取締法違反で有罪の場合、懲役は何年?

裁判で有罪が決定すると、懲役刑などが決定します。

大麻を所持していた場合は5年以下の懲役ですが、売却して利益を得るために所持していた場合は自分で使用するために所持していたときより刑が重くなり、7年以下の懲役および200万円以下の罰金を科せられます。

一方、大麻を栽培していた場合は7年以下の懲役に科せられます。

また、大麻所持時と同様、大麻を売却して利益を得るために栽培していたときは罰則が重くなり、10年以下の懲役、あるいは、10年以下の懲役および300万円以下の罰金が科せられます。

<大麻取締法違反による処罰>

本人が使用するため 第三者に売却するため
大麻を所持 5年以下の懲役 7年以下の懲役
大麻を栽培 7年以下の懲役および200万円以下の罰金 10年以下の懲役および300万円以下の罰金

大麻取締法違反で執行猶予はつく?

大麻取締法で逮捕された場合、3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金刑が言い渡されたときは、状況によっては執行猶予がつくこともあります。

とりわけ、初犯で再犯の可能性が低いと判断されるときや、常習性がなく容易に大麻から抜けられると思われるときは、執行猶予がつき、刑務所に入らなくても済む場合があります。

しかし、再犯のときや初犯でも常習性が見られるときは、執行猶予がつかず、既定の範囲内で厳刑が決定しやすくなります。

大麻取締法では再犯規定はないため、初犯も再犯も刑の重さは同じです。

ただし、再犯のときは裁判官の心証が悪くなり、既定の中で重めの罰が科せられる可能性があるのです。

<執行猶予がつく条件>

  • 3年以下の懲役刑を言い渡されること
  • 50万円以下の罰金刑を言い渡されること

大麻取締法違反の時効は?

時効

大麻取締法には公訴時効があり、時効期間を過ぎると検察官は容疑者を起訴できません。

たとえば、大麻を自分で使用する目的で栽培したり輸出入したりしたことが分かっている場合も、5年が経過すると起訴できなくなります。

<大麻取締法違反で公訴時効が成立する年数>

  • 個人が使用する目的で大麻を栽培した → 5年
  • 個人が使用する目的で大麻を輸入した → 5年
  • その他、個人が使用する目的で大麻を所持・譲渡・譲受があった → 5年

「芸能人・有名人もやってるから」などと、大麻に関わってはいけない

大麻取締法 違反

芸能人や著名人が大麻で逮捕されたニュースを聞くと、大麻が身近なもののように感じるかもしれません。

実際に東京や大阪などの大都市のクラブやカフェで手軽に手に入るとの情報もあり、特別な仕入れルートを持たない人でも大麻に触れる機会がないとは言い切れないのが現状です。

また、地方でも大麻を手にすることが困難ではなく、小中学生が入手したとの報告もあります。

実際に大麻所持等で検挙される人の若年化が進んでおり、平成26年には検挙者のうちの未成年・20代の割合は20%未満でしたが、平成28年には30%弱と大幅に増えています。

大麻を常習している人も、最初から常習する意思があったわけではありません。

「ちょっとだけ試してみたい」「1回だけなら良いだろう」という気軽な気持ちで大麻に手を出し、いつの間にか止められなくなっているのです。

つまり、大麻は誰にでも常習性をもたらす要素があるのですから、絶対に手を出さないように、「1回だけ」などと制限を設けて自分に許すことがないようにしなくてはならないものです。

大麻取締法違反は法を犯すだけでなく社会的立場も心身も滅ぼす

大麻取締法違反で検挙されて有罪が決定すると、前科者になってしまいます。

仕事に就いている人は免職されて社会的立場を失うだけでなく、その後の人生も台無しになる恐れがあります。

また、大麻の常習性から抜け出ることも決して容易なことではありません。

心身ともに滅ぼす大麻とは距離を保って暮らしていきましょう。