スクールカーストとは?各序列の特徴や「いじめ」との関係などを紹介
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生まれたときに階級が決まるインドのカースト制度。
異なるカーストの人とは同じ席につくことすらない厳しい決まりで、人権侵害以外の何物でもありません。
近年、スクールカーストという言葉が使われるようになってきていますが、意味や実情をご存知ですか?
今回はスクールカーストについて詳しく解説します。
目次
スクールカーストとは
スクールカーストとは学校内にあるカースト制度のことで、自然発生的に存在する序列を指します。
仲良くしているグループ内のメンバーは通常同じカーストに属しますが、グループによって内部にカーストが存在することもあります。
学校やクラス、グループによって、カーストを分ける基準が異なります。
通常は「人気がある人」や「容姿が良い人」が上位カーストになりますが、「活発で目立つ人」や「野球やサッカーなどの花形の部活で活躍している人」などが上位カーストになることも多いです。
また、学校によっては「お金持ちであること」や「親が有名もしくは社会的立場が高いこと」、「勉強ができること」が評価され、カーストに関わってくることもあります。
しかし、学校よりも課外活動に重きを置いている生徒が多いクラスでは、スクールカーストが生まれないことも珍しくありません。
たとえば、ほとんどの生徒が中学受験をするクラスでは、お互いに対しての関心が薄くなり、序列を作るまでに生徒同士の関係が発展しないこともあります。
スクールカースト内の上位・下位の序列|1軍・2軍・3軍の特徴
スクールカーストでは、ヒエラルキーが高いほうから順に1軍・2軍・3軍と呼びます。
1軍は、クラスでも目立つ存在で、運動系の部活に入っていることが多いです。
文科系の部活に入っている人や部活自体に入っていない人も1軍に分類されることがありますが、ルックスが特別良い場合や学校内で指導的な立場にある場合などの限られたケースのみです。
2軍はもっとも人数が多い層です。
容姿も普通で成績も普通の平均的な生徒が属しています。
2軍と1軍の間に1.5軍が存在することもあります。
1.5軍は1軍の取り巻きで、1軍の機嫌を取ることに存在価値を見出しています。
周囲に1軍がいないときは急に尊大になることも、1.5軍の特徴です。
性格が暗く、コミュニケーションを取ることが苦手な人は3軍に属することが多いです。
鉄道好きやアニメ好きなどのいわゆる「オタク」と呼ばれる人も3軍に属する傾向にあります。
スクールカーストは元々アメリカで同種の現象が発生していた
スクールカーストは、日本の学校においてのみ見られる現象ではありません。
日本でスクールカーストについて語られるよりも以前から、アメリカではスクールカーストが公然のものとして存在しています。
アメリカの学校生活、とりわけ高校生活はスクールカースト抜きに語ることができないと言うこともできるでしょう。
スクールカーストを題材に使った小説や映画も多く、どこの学校でも多かれ少なかれスクールカースト的な要素が見られています。
また、教師側もスクールカーストに敏感で、カースト上位の生徒だけと話す低人格の教師も少なくありません。
スクールカーストの構造【アメリカの場合】
アメリカのスクールカーストでは、jock(ジョック)と呼ばれる男性が頂点に君臨することが一般的です。
ジョックはアメリカンフットボールのキャプテンもしくは花形選手であることが多く、身長は180㎝を越えて体格が良く、差別意識が高いという特徴があります。
たいていのジョックは、queen bee(クイーンビー:女王バチの意味)と恋愛関係にあります。
クイーンビーは学園の花的存在で、容姿が華やかでチアリーダーの中でも目立つ存在です。
ジョックと同じくクイーンビーも、学校は自分を中心に回っていると考えています。
ジョックに対立する概念がnerd(ナード)です。
ナードは内向的で文科系の趣味を持っていることが多いです。
ただし、マサチューセッツ工科大学のように文科系かつ理系の専門家が集まる学校では、ナードであることが大前提で、どれだけ自分自身の世界を極められるかを競う傾向が見られます。
なお、素行に問題があるいわゆる不良は、日本ではスクールカーストの上位に位置することが多いですが、アメリカではカースト外として扱われます。
ジョックもナードも不良には積極的には関わろうとせず、不良も独自の世界観で生活していきます。
スクールカーストとキャラ的コミュニケーション
自分自身に特定のキャラクターを与え、キャラクターのイメージに沿って他人と接する「キャラ的コミュニケーション」をとる学生は少なくありません。
たとえば「勉強しか興味がないガリ勉キャラ」や「いつも元気でイベントに積極的に参加するお調子者キャラ」などを作り、キャラ的に想定される役割を演じます。
キャラが一度確定してしまうと、変えることは困難です。
そのため、「使い走りキャラ」になると学校を卒業するまで使い走りをしなくてはならず、また、2軍キャラ、3軍キャラに認定されてしまった場合も、学校を卒業するまで2軍・3軍として生きていくことになるのです。
スクールカーストと「いじめ」との関係性
学校での立場が固定されることで、いじめが発生することもあります。
何かおかしなことをしていじられる程度なら、誰にだって起こり得ることです。
しかし、いつも同じ人がいじられるなら「いじめ」といえますし、「バカにされる役回り」や「無視される役回り」が固定してしまうこともいじめです。
つまり、スクールカーストがあることで生徒間の立場に流動性がなくなり、いじめが発生しやすくなってしまうのです。
特に、教室の雰囲気を左右する存在である1軍のメンバーが差別的な考えを持っていたり、人をバカにすることに生きがいを感じていたりするときは、いじめが発生しやすくなります。
スクールカーストにとらわれないタイプの人もいる
かならずしも、すべての生徒が1軍・2軍・3軍に分類されるわけではありません。
中にはスクールカーストに属さない生徒もいます。
たとえば、誰とも仲良くせずに自分のペースで生きている人は、スクールカーストからも離れていることが多いです。
必要に応じて誰とでも話すことができ、相手がスクールカーストのどの位置に属しているかについては興味も持ちません。
精神的にも大人であることが多く、スクールカーストを設けて「1軍だ」「2軍だ」と言っている同級生たちが幼く見えているのかもしれません。
スクールカースト対策は、まず知るところから始めよう
学校の中では、すべての人が平等であるべきです。
しかし、現実にはスクールカーストが存在していることが多く、知らず知らずに身分が生じていることもあります。
スクールカーストとは一線を画して生きていくためにも、スクールカーストの成り立ちについて知っておくことは有意義と言えるでしょう。