引きこもりとは?定義と原因、脱出方法や高齢化についてのまとめ

ニュースで耳にしない日はない「引きこもり」。

引きこもりとは具体的にはどのような人・状態を指すのでしょうか?

引きこもりの定義や原因、そして気になる脱出方法についてまとめました。

また、近年とりわけ問題になっている引きこもりの高齢化についても解説します。

引きこもりとは

カーテン
厚生労働省では、引きこもりとは「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヶ月以上続けて自宅にひきこもっている状態」と定義しています。

内閣府は、「普段は家にいるが、コンビニなどの近所には出かける方」や「自室から出ない、もしくは自室からは出るが家からは出ない方」は満40歳~64歳の間で全国に約36.5万人いると試算しています。

趣味活動でしか外出しない方を合わせると、約61.3万人が引きこもりの可能性があると述べています。

また、満15歳以上39歳以下の引きこもりは、趣味活動でしか外出しないケースを合わせると54.1万人いると推計されています。

単純に計算すれば、義務教育終了から64歳までの方のうち、約115万人が引きこもり状態にあると考えられるでしょう。

<出典:厚生労働省「ひきこもり施策について」

引きこもりになってしまうきっかけ

男性と空
平成27年度の調査では、満15歳~39歳の引きこもりの19%が小中高での不登校がきっかけで引きこもるようになったと報告しています。

その次に、人間関係や就職活動がうまく行かなかったことが、引きこもりの理由として挙げられています。

一方、満40~64歳の引きこもりの理由として、もっとも大きかったのは退職でした。

実に29%を超える方が、退職をきっかけに自宅や自室に引きこもるようになっています。

次に多い理由は、人間関係がうまく行かなかったことでした。

なお、4番目に多い理由として「妊娠したこと」が挙げられていることからも、生活が大きく変わったことが原因で、特別な用事がない限り自宅で過ごすスタイルに変わる人がいることも分かります。

満40歳~64歳 満15歳~39歳
引きこもりの理由 引きこもりの理由
1位 退職した 29.1 小中高での不登校 19.0
2位 人間関係がうまくいかなかった 18.7 人間関係がうまくいかなかった 16.5
3位 職場に馴染めなかった 13.4 就職活動がうまくいかなかった 15.2
4位 妊娠した 11.9 職場に馴染めなかった 12.0
5位 病気 10.4 病気 10.1

<参考:内閣府「長期化するひきこもりの実態」P.48,49」

引きこもりの問題点

社交的でなく外出することがあまり好きでないのなら、家庭に引きこもるのも自然なことです。

家事や家業、在宅の仕事をおこなっている大人なら、特別な用事がない限り、外出しないことも何ら不自然なことではないでしょう。

しかし、本人が「外に出たい」「他人と関わりたい。仕事をしたい」という気持ちを抱えながら引きこもるなら、本人が望む生活ができていないという問題があります。

また、仕事を辞めて引きこもっているのなら、収入が大きく減って生活が立ち行かなくなる点も問題です。

中高年の引きこもりは親世代も巻き込む貧困状態を生む

近年、とりわけ問題になっているのは中高年の引きこもりです。

引きこもると生活費がなくなり、生活を家族に依存するようになります。

しかし、中高年の場合は親世代が高齢者のため、いつまでも子供の生活の世話ができるわけでもありません。

また、自分自身の収入も限られているため、子供の生活費を賄うことができずに親子で貧困状態に陥ることもあります。

引きこもりから脱出するには必ず第三者を頼る

SUPPORT
引きこもりやニートの状態が長引けば長引くほど、社会と関わることが難しくなります。

頑張って一歩を踏み出しても、予想外の出来事や他人のちょっとした言葉、視線などで再び引きこもりに戻ります。

また、発達障害などのために他人と上手に関わりにくい方も少なくありません。

他人の言葉や行為に敏感に反応し、外に居場所を見つけられない方も多いと考えられています。

本人の強い意志や家族の支えだけでは、引きこもりを克服することは簡単とは言えません。

快く受け入れる学校の教師や生徒、職場の人々などの第三者の協力が不可欠なのです。

引きこもりに関する事業

医療
厚生労働省では、平成21年度から引きこもり支援のための窓口「ひきこもり地域支援センター」を開設し、引きこもり当事者や家族が気軽に社会福祉士や精神保健福祉士などの専門家と相談できるように取り計らっています。

平成22年2月の段階では、ひきこもり地域支援センターは全国に19ヶ所あり、宮城県や福島県など、独自の相談窓口を設けている自治体も少なくありません。

センターでは、他の関連機関と連携し、引きこもり当事者の事情に応じたサポートを提供しています。

たとえば、心身面で治療が必要なときは医療機関や保健機関、NPO法人などを紹介し、適切な治療や心理カウンセリングが受けられるようにプランニングすることもあります。

また、引きこもり当事者が就学年齢にあるときは学校や児童相談所と協力し、子供が引きこもらずに生活できるように取り計らうケースもあります。

引きこもりの高齢化問題

老人握手
退職を機に引きこもりになる方も少なくありませんが、不登校から引きこもりになり、外部と接触を持てなくなる方も少なくありません。

引きこもりの状態が長くなると、当事者や家族も高齢になり、次のような問題を抱えるようになります。

<高齢化することで起こり得る問題>

  • 引きこもり当事者や家族の収入減による、経済的な問題
  • 引きこもり当事者の親に、治療や介護が必要になったときの医療・介護問題
  • 引きこもり当事者が高齢者となり、就職先が見つかりにくくなる就職問題

親世代の高齢化と引きこもり当事者の高齢化

潤沢な資産があるわけではない場合、働ける人が働かずにいることで経済的な問題が発生しやすくなります。

引きこもり当事者の親が年金受給者の場合は、収入も限られ、引きこもった子供の生活費を捻出することが困難になります。

また、親に医療や介護が必要になると、さらに経済的に厳しくなるでしょう。

引きこもり当事者が高齢化すると、「外に出て働こう」と決心をしても、雇用先が見つかりにくいという問題に直面します。

バイトの面接に何度も落ちることで心が折れ、再度、引きこもり生活に戻ってしまう恐れもあります。

引きこもり状態を長引かせないこと、また、家族が引きこもったときには、単に生活をサポートするのではなく、外と関われるようにサポートすることが大切だと言えるのです。

引きこもり問題はひとり・家族だけで抱えず周りを頼ろう

引きこもり問題とは、当事者や家族だけでは解決しにくい問題です。

地域の「ひきこもり地域支援センター」や「保健所・相談機関」を訪れ、公的な支援が得られるようにしましょう。

支援を得ることは決して恥ずかしいことではありません。

家族が引きこもったときは、早い時点で支援を求めるようにしてください。