自衛隊の階級は16等級!区分ごとの役割や俸給について紹介

自衛隊員の階級は、自衛隊内における位置付けだけではなく、個人の任務や俸給にも影響します。

今回は、階級ごとの任務や構成、俸給(給料)や昇任方法についても解説します。

自衛隊の階級や俸給について興味がある人は参考にしてください。

自衛隊の階級構成を紹介

車両に乗る自衛隊員

約23万人いる自衛隊員の中で階級を持たない人はいません。

また、各階級ごとに俸給や任務は異なります。

自衛隊は大組織のため、階級制度は非常に重要な役割を担っています。

自衛隊の階級は16階級に分かれており、陸海空で呼び名が異なります。
(「幕僚長」は、法令上は「将」と同一。ただし、事実上別個の階級とされ、階級章や俸給も異なる)

それぞれの階級を表にまとめました。

共通呼称 陸上自衛隊での呼称 海上自衛隊での呼称 航空自衛隊での呼称
幹部 将官 陸上幕僚長 海上幕僚長 航空幕僚長
陸将 海将 空将
陸将補 海将補 空将補
佐官 1等陸佐 1等海佐 1等空佐
2等陸佐 2等海佐 2等空佐
3等陸佐 3等海佐 3等空佐
尉官 1等陸尉 1等海尉 1等空尉
2等陸尉 2等海尉 2等空尉
3等陸尉 3等海尉 3等空尉
准尉 准陸尉 准海尉 准空尉
曹士 陸曹長 海曹長 空曹長
1等陸曹 1等海曹 等空曹
2等陸曹 2等海曹 2等空曹
3等陸曹 3等海曹 3等空曹
陸士長 海士長 空士長
1等陸士 1等海士 1等空士
2等陸士 2等海士 2等空士

自衛隊の階級構成は曹士と幹部の2区分。

分類は「士」「曹」「准尉」「尉官」「佐官」「将官」の6種類に分かれています。

また、それぞれ区分や分類に等級があり、すべてを合わせると16階級に構成されています。

自衛隊の階級制度は、他国軍隊と比べてもシンプルな構成となっています。

  • アメリカ軍:26階級で構成
  • イギリス軍:21階級で構成
  • ドイツ軍:24階級で構成

それぞれの階級の見分け方とは?

整列している自衛隊員の後ろ姿

自衛隊員には、各々の階級に応じた階級章が与えられ、陸海空それぞれで階級章の仕様が違います。

自衛隊の階級一覧・幹部
自衛隊の階級一覧・曹士

(表は、おおよその階級章上の対比であり、必ずしも完全な対比となるものではありません)
<画像引用:自衛官の階級章等について|自衛隊熊本地方協力本部>

自衛隊の階級章は、星や線でデザインされ、各個の階級が判別しやすくされています。

階級章にある星の数や線の位置で階級が分かる

階級章は、曹士クラスや幹部クラスによってメインデザインに違いがあり、各分類内の序列は星や線の数で明確にしています。

また、階級章が付いている制服の位置もポイントです。

  • 士は上腕
  • 曹は襟元
  • 幹部は肩

自衛隊の「階級」はどのようにして上がる?

上へ駆け上っている人のイメージ

自衛隊では、階級が上がることを「昇任」といいます。

自衛隊の階級は、部内選考や昇任試験によって決まります。

昇任方法は階級によって違い、「一般曹候補生」の場合は「2士」から始まり「1士」「士長」までは自動的に上がります。

しかし、「士」より上である「3曹」の「曹」へ昇任するためには、試験を受けて合格する必要性があります。

反対に、自衛隊での勤務成績が良くないと判断された場合、降任する場合もあります。

次は、自衛隊の階級ごとに分かれている俸給をまとめました。

士の俸給は任期制で変わる

自衛隊へ一般入隊後、最初のポジションとして「士」があります。

「士」は任期制の階級なので、企業でいう「契約社員」に例えられることもあります。

「士」は自衛隊の中で必要な知識や経験を身につけるために配属される階級となります。

「士」は3つの階級に分かれています。

士(階級) 俸給
士長 初任給 約184,700~最大約244,600円
1士 初任給 約184,700~最大約200,300円
2士 初任給 約169,900~最大約181,100円

(2018年12月時点の俸給表より)

約8割を占めている「曹士」の俸給

3曹、2曹、1曹、曹長の階級がある「曹」は、全自衛官の約6割を占めています。

また曹は士の直属の上司として、日頃の服装や態度の指導も行います。

隊員の約8割を占めている曹士は、指揮系統では下方に位置していますが、自衛隊の戦力としては大切な存在です。

曹階級は、3曹、2曹、1曹、曹長の4つの階級に分かれており、それぞれの俸給額を表にまとめました。

曹(階級) 俸給
曹長 初任給 約231,700~最大約425,500円
1曹 初任給 約231,500~最大約410,700円
2曹 初任給 約222,900~最大約381,200円
3曹 初任給 約199,900~最大約312,000円

(2018年12月時点の俸給表より)

尉階級の俸給

尉階級は、「幹部」のポジションに位置します。

主に部隊の指揮や教育を任されます。尉階級には、4つの階級に分かれています。

  • 1尉
  • 2尉
  • 3尉
  • 准尉

の4つの階級に分かれています。

3尉からが「尉官」と呼ばれる幹部ポジションです。

「幹部候補生」で自衛官に採用されると、まずは3尉に就きます。

幹部候補生は、大学や大学院卒を卒業した人が対象です。

若い方では22歳(大学卒業の年齢)で部隊の指揮を任されます。

尉(階級) 俸給
1尉 初任給 約279,800~最大約446,000円
2尉 初任給 約254,200~最大約441,200円
3尉 初任給 約246,400~最大約439,500円
准尉 初任給 約237,900~最大約437,000円

(2018年12月時点の俸給表より)

佐官階級の俸給

佐官は、隊長職に付いて部隊を指揮する任務を持ちます。

佐官は自衛隊幹部の階級中でも上級側に位置します。

佐官には、3佐、2佐、1佐の3つの階級に分かれており、1佐に昇任すれば1,000人以上を指揮する立場になります。

また、佐官は曹長や准尉と連携して、部隊に在籍している隊員の身上を把握する役割を担っています。

佐(階級) 俸給
1佐 初任給 約396,200~最大約545,100円
2佐 初任給 約345,500~最大約488,800円
3佐 初任給 約319,600~最大約469,100円

(2018年12月時点の俸給表より)

将官階級の俸給

将補、将から成る将官は、師団長、駐屯地司令、陸海空の幕僚長、自衛隊のトップに値する階級です。

将官は、陸海空のトップクラスです。

約23万人いる自衛隊員の中でも、限られたポジションです。

将官に任命されるためには、年齢が40代以上でなければいけません。

将官は2つの階級に分かれています。

将官(階級) 俸給
将官 初任給 約706,000~最大約1,175,000円
将補 初任給 約513,100~最大約895,000円

(2018年12月時点の俸給表より)

自衛隊では各種手当が支給される

給与明細や手当のイメージ

自衛隊では、俸給に加えて、各種手当も付与されます。

所属の部署によりもらえる手当は異なります。

自衛隊の一般的な手当と、珍しい手当を紹介します。

各種手当 内容
通勤手当 通勤距離が片道2km以上
扶養手当 子供や妻を扶養すると「扶養手当」を支給
地域手当 物価の高い都市に配属された場合に支給
災害派遣等手当 災害派遣で出動した際に、1日あたり1,620円程度を支給
爆発物取扱作業等手当 1日につき10,400円を超えない範囲内で支給
航空作業手当 搭乗1日で8,500円を超えない範囲内にて支給
落下傘降下作業手当 作業1回につき6,650円を超えない範囲内で支給
南極手当 業務1日につき4,100円を超えない範囲内で支給

自衛隊の階級から役割や俸給関連を知るとより身近な存在になる

自衛隊を目にすることは、災害救助や国際問題などのニュースが中心になるかもしれません。

しかし、階級や役割、俸給関連を知ると、身近な存在に感じられてニュースなどでの印象も変わるでしょう。