国家公務員と地方公務員の違いについて分かりやすく解説

安定性の高い職業として人気の公務員ですが、大きく国家公務員と地方公務員の2つに分けることができます。

国家公務員と地方公務員は、単に母体が異なるだけでなく、仕事内容や給与、待遇などのさまざまな違いがあります。

両者の違いと公務員になる方法についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

国家公務員と地方公務員は何が違うの?

比較国家公務員は日本国、地方公務員は都道府県や市区町村などの地方自治体に属します。

しかし、両者の違いはそれだけではありません。

仕事内容や給与、待遇なども異なり、単に「公務員」とまとめることはできないのです。

国家公務員と地方公務員の違いを整理しましたので、これから公務員を目指す方はどちらが自分に合っているのか、また、どちらの働き方がより理想に近いのかも考えてみてください。

仕事内容の違い

国家公務員は、日本全体や海外に関わる仕事を主におこないます。

たとえば、裁判所や税務署、刑務所などの国の省庁や関連機関で働く人は、国家公務員であることが多いです。

一方、地方公務員は特定の地域内で働きます。

たとえば、都道府県庁や市区町村役場、地域住民の相談所、警察署、公立学校などで働く人は地方公務員である可能性が高いです。

給料の違い

内閣所轄の機関である人事院が、「50人以上の正社員がいる民間企業の賃金相場」から国家公務員の給与を内閣に提案し、閣議で決定されます。

つまり、国家公務員の給与は、景気や民間企業の給与とも深く関係しているのです。

一方、地方公務員の給与は、各自治体の人事委員会等で決定されることが多いです。

人事委員会では、国家公務員の給与を参考に地方公務員の給与を算出するため、結果的には国家公務員の給与と類似しており、なおかつ国家公務員の年収を越えないことが多いです。

地域手当

また、手当も国家公務員と地方公務員では異なります。

国家公務員は職種や勤続年数などの条件に従って、基本給が決定します。

しかし、職種が同じでも勤務地が異なると生活費が変わるため、地域手当が支給されて給与が調整されます。

たとえば、東京23区内で働くときは、以下の地域のいずれにも該当しない同条件の国家公務員よりも2割給与が増えます。

<国家公務員の地域手当>

地域 支給割合
東京都特別区 0.2
大阪市、横浜市 0.16
さいたま市、千葉市、名古屋市 0.15
神戸市 0.12
水戸市、大津市、京都市、奈良市、広島市、福岡市 0.1
仙台市、宇都宮市、甲府市、岐阜市、静岡市、和歌山市、高松市、津市 0.06
札幌市、新潟市、前橋市、富山市、金沢市、福井市長野市、岡山市、徳島市、長崎市 0.03

※基本給に特別調整額や扶養手当、専門スタッフ職調整手当を加えた金額を1としています

<参考:人事院「国家公務員の諸手当の概要 地域手当」

一方、地方公務員でも勤務地によって地域手当が支給されることもありますが、同じ都道府県内・市区町村内で勤務するため金額も少なめです。

また、地方の財政にも左右されるため、かならずしも支給されるわけでもありません。

待遇の違い

国家公務員は、地方公務員や民間企業で働く人々のお手本にならなくてはいけないという立場上、有給休暇を取得しやすく、残業が少なめの傾向にあります。

とはいえ、かならずしも国家公務員に働きやすい環境が整っているわけではありません。

特に省庁関連の中央組織に近づくほど仕事量が多く、その分、有給休暇が取得しづらく、残業時間が増えやすくなります。

また、転勤が多いのも国家公務員の特徴です。

関連部署が全国に存在するため、数年おきに転勤になるケースも珍しくありません。

一方、地方公務員は、職種や部署によってワークライフバランスが取れているかは大きく異なります。

残業が滅多になく、有給休暇も取得しやすい職場もありますが、残業続きの職場もあります。

ただし、転勤になってもほとんどが通勤可能な範囲のため、引っ越しや単身赴任をするケースは少ないです。

家族そろって1つの地域で暮らしたい場合は、地方公務員を選択するほうが良いでしょう。

国家公務員になるには

国家公務員国家公務員になるには、国家公務員試験を受ける必要があり、「総合職試験」「一般職試験」「専門職試験」があります。

求める人材の役割
総合職試験 主に、政策の企画・立案、調査や研究に関する事務
一般職試験 主に、定型的な事務
専門職試験 特定の行政分野に関わる専門知識・技能での業務

政治や省庁などの国家の中枢に携わるいわゆる「キャリア」と呼ばれるのは総合職に合格した人々です。

また、国税専門官や労働基準監督官などの「専門職」に就くためには、それぞれの採用試験を受験し、合格する必要があります。

専門職ごとに年齢や学歴などの受験資格が定められていますので、合致していることを確認してから受験に臨みましょう。

なお、男性・女性の別は問われないことが一般的です。

総合職・一般職・専門職以外にも、国家公務員はいます。

たとえば内閣総理大臣や国会議員、裁判官などの職は「特別職」と呼ばれ、選挙などで決まります。

地方公務員になるには

地方公務員とは地方公務員のなり方も、基本的には国家公務員と同様です。

地方公務員試験を受験し、合格する必要があります。

大きく「上級」と「中級」、「初級」の3つに分けられ、それぞれ大卒程度・短大卒程度・高卒程度の学歴が要求されます。

また、地方公務員の中でも教師や警察官、消防官などの特定の職種で働く場合は、それぞれの採用試験を合格していなくてはいけません。

その他にも、国家公務員と同様、知事や県会議員、市会議員などの「特別職」があり、選挙に当選することで職務に就くことができます。

公務員の職種は7つに分けられる

裁判所公務員は携わる内容によって7つの職種に分けることができます。

職種と具体的な職務を以下にまとめました。

職種 国家公務員の例 地方公務員の例
行政関係:行政や事務に関わる仕事
  • 国家公務員総合職
  • 国家公務員一般職
  • 国税専門官
  • 財務専門官
  • 特別区Ⅰ類
  • 地方公務員上級
  • 警視庁職員Ⅰ類
技術関係:一般教養とは別に技術系専門分野を問う試験がある
  • 国家公務員総合職(工学など)
  • 国家公務員一般職(電子情報、機械、土木、建築など)
  • 特別区Ⅰ類(電子情報、機械、土木、建築など)
  • 地方公務員上級技術職
公安関係:国民の生命と財産を守る仕事。身体テストが課せられる
  • 検察庁職員
  • 警察庁職員
  • 海上保安庁職員
  • 警察官
  • 消防官
福祉関係:地域の福祉に関わる仕事。国家公務員としての採用はあまりない
  • 特別区Ⅰ類(福祉区分)
  • 地方公務員上級(福祉職)

国家公務員と地方公務員の違いをおさえよう

国家公務員も地方公務員もどちらも公務員という括りでは一緒ですが、仕事内容や待遇、給与などさまざまな点が異なります。

どのような仕事をしたいのか、また、どのように働きたいのかを熟慮して志望先を決めていきましょう。