奨学金が返済できないときどうする!?返還猶予や減額制度も紹介

奨学金が返済できず、自己破産する人が増えており、日本学生支援機構(JASSO)が把握しているだけでも、平成24年度からの5年間で8,108件が免責になっています。

奨学金が返済できないとどうなるのか、また、活用できる制度について解説します。

そもそも奨学金とは

そもそも奨学金とは
奨学金とは、経済的な理由や家庭の事情から進学が難しい方に向けた、入学金や授業料といった学費の付与や貸与を行う制度です。

日本学生支援機構(JASSO)のほか、地方自治体や民間企業の奨学金、新聞奨学生や教育ローンなど様々な種類の奨学金があります。

多くの学生に利用されている日本学生支援機構(JASSO)は、予約採用と在学採用2種類の申込方法があります。

予約採用は、高校生の時点で進学後の奨学金を予約するもので、志望校が具体的に決まっていないうちからでも申請は可能です。

在学採用は、大学と専門学校への進学後に申請するする奨学金です。

申込書類の提出方法、奨学金貸与継続についてなど、詳細は独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)のサイトをご覧ください。

奨学金が返せないとどうなるか

奨学金が返せないとどうなるか

奨学金には給付型と貸与型の2つのタイプがあります。

給付型の場合は返済する必要はありませんが、貸与型は返済しなくてはなりません。

有利息の奨学金なら、利息も含めて毎月返済しなくてはなりません。

日本でもっとも多くの学生に利用されている日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の場合は、返済が滞ると、日本学生支援機構の職員や債権回収業者から督促の電話がかかってきます。

電話に応じない場合は、郵便や自宅への訪問、勤務先への訪問などによって督促が実施されます。

それでも返済に応じない場合は、連帯保証人への請求が実施されます。

連帯保証人への請求

JASSOで奨学金を借りるときには、連帯保証人を立てるか機関保証制度を利用します。

機関保証制度とは保証人を立てる代わりに保証会社が保証人になってくれる制度ですが、利用料として通常よりも高い金利が適用されます。

奨学金を借りた人(債務者)が返済できないときは、連帯保証人もしくは保証会社が返済しなくてはなりません。

個人信用情報機関に金融事故情報が登録される

債務者本人が返済できず、連帯保証人や保証会社に請求されるようになると、JASSO内では金融事故として扱われるようになります。

JASSOでは、債務者が3ヶ月以上返済を延滞すると、「個人信用情報機関」と呼ばれる信用情報を統括する機関に金融事故情報を登録します。

「ブラックリスト入り」とは、個人信用情報機関に延滞等の金融事故情報が登録されることの俗称です。

クレジットカード会社や銀行、消費者金融などのローンを扱う会社は審査時に個人信用情報機関の情報を閲覧しますので、ブラックリスト入りすると新たにローンを組んだりクレジットカードを発行したりすることが難しくなります。

また、現在利用中のローン会社やクレジットカード会社も、定期的に利用者の信用情報を閲覧しています。

奨学金の返済を延滞していることが分かると、強制的に契約を解除されてしまうこともあるでしょう。

裁判に発展することもある

個人信用情報機関に延滞情報が登録されても、返済義務が消滅するわけではありません。

督促の電話や手紙は続きますし、自宅への訪問も繰り返されることになります。督促を続けても返済しないときは、裁判に発展することも珍しくありません。

裁判所に赴かなくてもいけませんし、給与や預金の差し押さえが実行されることから、勤務先の人にも「滞納して裁判に発展している」ということが知られてしまいます。

奨学金が返せないときの対処法

奨学金が返せないときの対処法

奨学金は借金の1つですから、返済しないとブラックリスト入りするだけでなく、新たなローンを組めなかったりクレジットカードを作れなかったりすることにもなります。

また、裁判へと発展することもありますし、給与や預金、お金以外の他の財産が差し押さえられることもあります。

給与が差し押さえられると勤務先にも良くない印象を与えますので、延滞が長引く前に何らかの対応をしておきたいものです。

収入により返済額が変わる所得連動返還方式

収入により返済額が変わる所得連動返還方式

JASSOの奨学金は、卒業後に返済が始まります。

しかし、かならずしも安定した給与の仕事に就けるとは限りませんので、コンスタントに返済できるかどうか分かりません。

返済できるかどうか不安な方は、通常の定額返済方式(毎月一定額を返済する方法)ではなく、「所得連動返還方式」を選択しておきましょう。

所得連動返還方式は所得に応じて返済額が決まる方法ですので、毎月の収入が低い方にも無理なく返済できるようになっています。

最長10年待ってもらえる返還期限猶予制度

最長10年待ってもらえる返還期限猶予制度

低所得のときは、所得連動返還方式で毎月の返済金額を軽減できます。

しかし、就職先が見つからないときなどは、所得連動返還方式でも返済が難しくなってしまうでしょう。

返済そのものが難しいときは、「返還期限猶予制度」を利用しましょう。

返還期限猶予制度が適用されると、最長10年間、奨学金の返済を待ってもらえますので、返済を滞納せずに済みます。

返還猶予制度を受けられる条件

災害や病気、経済的な困窮、失業などの理由があるときは、返還猶予制度を活用して返済を待ってもらうことが可能です。

通常は最長10年間待ってもらえますが、同一災害による猶予は最長5年です。

反対に、病気や出産、海外派遣、生活保護の受給などのやむを得ない事情の場合は10年以上の猶予を受けることもできます。

月々の返済額を減らせる減額返還制度

月々の返済額を減らせる減額返還制度

災害や病気、経済的事情のために当初定めた返済額通りに返済できないときは、毎月の返済額を減らす「減額返還制度」を利用できます。

返還猶予制度を利用すると元金は減りませんが、減額返還制度なら毎月返済していきますから、少しずつでも元金が減るというメリットもあります。

なお、減額返還制度は最長15年間利用できます。

減額返還制度を受けられる条件

減額返還制度は、災害や病気で奨学金返済が難しくなったときや経済的に返済が難しくなったときに利用できる制度です。

経済的以上により減額返還制度の適用を申請する場合は、給与所得者は年間所得(年収から給与所得控除をひいたもの)が300万円以下、給与所得以外の収入を含むときは年間所得が200万円以下であることが必要です。

なお、債務者本人に被扶養者がいるときは、年間所得から38万円控除されます。

返還免除制度が適用されることもある

返還免除制度が適用されることもある

奨学金の返済自体を免除される「返還免除制度」もあります。

返済中に債務者が死亡したときや精神的・身体的障害によって労働が困難になったときは、以後の返済が免除されます。

また、現在は廃止されていますが、2004年3月31日までに大学院に入学して第一種奨学生(無利息)に採用された方を対象に、卒業後に研究職や教育職に就いた場合は奨学金が免除されるという制度がありました。

最終手段の債務整理

奨学金が返済できないときどうする!?

紹介したいずれの方法でも奨学金が返済できないとき、また、奨学金以外の負債も抱えていて返済に行き詰まっているときは、「債務整理」を検討できます。

債務整理とは法的に借金を清算する方法で、債権者と話し合って返済を見直す「任意整理」や調停員を通して債権者と話し合う「特定調停」、利息だけでなく借金そのものの返済を免責する「自己破産」などの種類があります。

自己破産の場合は連帯保証人が返済義務を負う

債務整理の中でももっとも借金整理効果が大きいものが「自己破産」です。

債務者が自己破産をすると、返済義務は連帯保証人が背負うことになります。

なお、連帯保証人も返済できないときは、連帯保証人も自己破産することがあります。

JASSOの報告によりますと、平成24年度からの5年間で連帯保証人も自己破産したケースは5,499件ありました。

自己破産のデメリット

自己破産すると、個人信用情報機関に金融事故をしたという情報が5~10年間残ります。

情報が残っている間は、ローンを組んだりクレジットカードを発行したりすることが難しくなります。

また、弁護士や司法書士、宅地建物取引士などの士業は、自己破産してから免責許可が下りるまで業務登録ができません。

免責許可が下りてからは復権できますが、一時的に仕事に差し支えのある状況になってしまいます。

奨学金を返済できないときは早めに対処しよう

奨学金は返済義務を伴います。

返済しないとブラックリスト入りは避けられませんし、連帯保証人に迷惑をかけてしまうことにもなります。

返済猶予制度や減額返還制度を活用し、延滞する前に対処してください。

どの制度を利用して良いか分からないときは、日本学生支援機構に直接相談してみましょう。