いじめの種類にはどんなものがある?代表的な11例と判断基準を紹介
282 view

「いじめ」と一口に言っても、実際のところさまざまな種類があります。
いじめと気付かずに放置してしまうと、いじめられている人の苦しむ時間が長くなるだけでなく、不登校になったり命が危うくなったりすることもあります。
いじめの種類と定義、判断基準について知り、できるだけ早期に対応するようにしましょう。
目次
- 1 いじめの種類!代表的な11例から状況を把握しよう
- 1.1 種類1.【暴力】殴る・蹴るなどの身体的ないじめ
- 1.2 種類2.【性的】同性・異性に関係なくセクシャルないじめ
- 1.3 種類3.【無視】集団から排除して「ない者」とするいじめ
- 1.4 種類4.【言葉】悪口や陰口といった誹謗中傷をするいじめ
- 1.5 種類5.【物質的】物を隠したり壊したりするいじめ
- 1.6 種類6.【強要】パシリや恐喝、犯罪行為に加担させるいじめ
- 1.7 種類7.【ネット】ネット掲示板やSNSを介してのいじめ
- 1.8 種類8.【妨害】勉強や行動などの邪魔をするいじめ
- 1.9 種類9.【嘘】誤った情報を故意に与え、支障を生じさせるいじめ
- 1.10 種類10.【捏造】架空のいじめを訴え、被害者を加害者に仕立てる
- 1.11 種類11.【嘲笑】失敗を執拗にあざ笑い、恥をかかせるいじめ
- 2 いじめの定義
- 3 「いじめ」かどうかの判断基準となる5つのポイント
- 4 いじめの種類や定義、判断基準を知って早期に自分や家族を守る
いじめの種類!代表的な11例から状況を把握しよう
どのいじめも、1つとして同じものはありません。
いじめる手口が異なるだけでなく、いじめられる側の受け取り方や対応も異なるからです。
しかし、たいていのいじめは、次の11種類に分類できます。
いじめとは何かを理解する前に、まずはいじめの種類と、それぞれの種類におけるよくある例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
種類1.【暴力】殴る・蹴るなどの身体的ないじめ
殴る・蹴るといった身体的暴力を伴ういじめがあります。
単に「けんか」として片づけられないもの、たとえば、特定の人物が一方的に攻撃を受けていたり、複数の人物が一人あるいは少数の人に暴力行為をおこなったりする場合は、いじめだと考えられます。
ただし、あまりにも悪質なケースは、「いじめ」ではなく「傷害事件」として扱われる必要があるでしょう。
種類2.【性的】同性・異性に関係なくセクシャルないじめ
性的ないじめもあります。
合意がないにもかかわらず性的な行為をすることや、本人が嫌がっている、あるいは断れない状況において身体を触ることは「性的ないじめ」と判断できるでしょう。
なお、性的ないじめは、相手が同性か異性かは関係なくおこなわれます。
種類3.【無視】集団から排除して「ない者」とするいじめ
無視することも「いじめ」になり得ます。
とりわけ集団で特定の人物を無視し、いない者として扱うことは、明らかないじめです。
暴力や性的ないじめは、「行為に関わった」ということがいじめ加害者の条件ですが、無視の場合は「積極的に関わらなかったこと」や「傍観者であったこと」でいじめ加害者になる可能性があります。
種類4.【言葉】悪口や陰口といった誹謗中傷をするいじめ
言葉によるいじめも少なくありません。
暴力のように事実が見えにくいため、いじめをした本人が「わたしは言っていない」と否定してしまえば、真実が分かりにくくなるという問題点があります。
最近ではSNSを使って、実生活とは無関係な人に悪口を言うケースも見られます。
相手が有名人であっても誹謗中傷はいじめであり、許されることではありません。
種類5.【物質的】物を隠したり壊したりするいじめ
物を隠したり壊したりすることも、いじめの一種です。
とりわけ学校や職場といった同じメンバーがいつも集まる場所では、隠す・壊すといった物質的ないじめがおこなわれる傾向にあります。
種類6.【強要】パシリや恐喝、犯罪行為に加担させるいじめ
相手が嫌がる行為を強要することも、いじめの一種です。
強要はしなくても、断れないように仕向けることもいじめです。
たとえば、「言うことを聞かないなら無視される」という状況を作っているなら、いじめのターゲットは、強要しなくてもいじめ加害者の思い通りの行為をおこなうでしょう。
しかし、断れない状況を作っている時点で、いじめは起こっていると判断できます。
種類7.【ネット】ネット掲示板やSNSを介してのいじめ
ネット掲示板やSNSを使って悪い噂を広めることも、いじめです。
また、特定の人物だけを排除したグループラインなどを作ることも、ネットを使ったいじめと言えるでしょう。
種類8.【妨害】勉強や行動などの邪魔をするいじめ
勉強や行動を邪魔することも、いじめと判断される可能性があります。
「帰宅してすぐに塾に行かなくてはいけない」と主張しているのに、行動を束縛して家に帰れないようにするなら、いじめと考えられるでしょう。
種類9.【嘘】誤った情報を故意に与え、支障を生じさせるいじめ
いじめのターゲットに嘘をつき、損失を与えたり不愉快な思いをさせたりすることもいじめの一種です。
たとえば、明日は体操服で登校しなくてはならないにも関わらず、「明日は制服登校だよ」と伝えることは、悪ふざけではなくいじめです。
種類10.【捏造】架空のいじめを訴え、被害者を加害者に仕立てる
実際には何もなかったのに、「○○さんがいじめました」と特定の人物を加害者に仕立てる行為はいじめです。
「○○が悪口を言っているよ」「○○に邪魔された」など、架空の話を捏造して評判をおとしめる行為もいじめです。
種類11.【嘲笑】失敗を執拗にあざ笑い、恥をかかせるいじめ
誰にでも失敗はあります。
しかし、執拗にあざ笑う行為はいじめと考えられます。
また、特定の人物に恥ずかしい思いをさせることもいじめの一種です。
いじめの定義
文部科学省では、いじめを以下のように定義しています。
<いじめとは>
児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの<出典:文部科学省「いじめの定義の変遷」>
児童生徒が対象となっていますが、いじめがおこなわれる場所は学校の内外を問いません。
いじめの中には、単に「いじめ」や「嫌がらせ」ではなく「犯罪」と考えられるものもあるため、早めに警察に相談するようにしましょう。
「いじめ」かどうかの判断基準となる5つのポイント
「いじめ」か「悪ふざけ」かは、本来はいじめの加害者が判断することではありません。
いじめ被害者が「いじめられている」と感じるなら、「いじめ」であり、加害者は行動を改め、適切な謝罪をおこなう必要があります。
被害者側にどんな原因があっても、決して「いじめ」は許されることではありません。
しかし、いじめ被害者が「いじめられている」と素直に発言できないこともあります。
特定の行為がいじめなのか判断に迷ったときは、次の5つのポイントをチェックしてみましょう。
<いじめに見られる5つの特徴>
- 反復性
- 同一集団内
- 立場の不対等
- 故意性
- 傍観者の有無
いじめは必ず繰り返されます。
また、特定の人物をターゲットとしておこなわれるため、同一集団内で起こることが一般的です。
いじめられる側といじめる側に立場の不対等が見られ、故意に不快な行為が繰り返されるなら「いじめ」と判断できるでしょう。
また、いじめは傍観者がいないところでおこなわれることが多いので、発見が遅れやすいです。
いじめの種類や定義、判断基準を知って早期に自分や家族を守る
誰にでも人生は一度きりです。
楽しく意味のある人生を送るためにも、いじめとは無縁でいたいものです。
いじめの種類や定義、判断基準を知り、早めに対処することで、子どもや自分の人生を守りましょう。