子どもへの『お金の教育』とは?内容と5つのポイントを紹介

社会で生きていくには「お金」は重要なものですが、子どもに『お金の教育』をすることには、抵抗を持つ親御さんがいます。

「子どもへの『お金の教育』はどう教えればいいの?」

「親も、経済とか詳しいわけじゃないのに…」

とお困りの方向けに、お金の教育の内容や始めるタイミング、効果的なポイントなどを紹介します。

子どもへの『お金の教育』とは

子どもへの『お金の教育』とは

子どもへの『お金の教育』とは、子どもが社会の中でできるだけ自由に生きていけるよう、お金に囚われず上手に使いこなせるよう金銭感覚を養うことを指します。

「お金がたくさんある=自由」と思われる人もいるかもしれません。

たしかに現代社会では、お金がないと支障が多く不自由になりがちです。

しかし、お金を稼ぐことだけに囚われたり、適切な使い方を理解していなければ、心を病んだり人間関係を壊したり、せっかくのお金を失ったりと、やはり不自由になる恐れがあります。

子どもへの『お金の教育』には、お金の使い方や稼ぎ方、社会的な知識だけでなく、「お金に振り回されない、お金を使える人になる」ためという意識が必要です。

親子での「お金の話」が重要

日本では「お金の話をするのは、恥ずかしい、いかがわしい、避けるべきこと」という風潮があります。

しかし、諸外国では家庭や学校での、お金や経済といったマネー教育は一般的なことです。

知識がないということは、誰かに騙される恐れがありますし、問題が発生しても自分で気づかず改善できないということでもあります。

まずは家庭内から、親子の間で「お金の話」が日常会話になるよう意識すると良いです。

また、「保護者自身がお金や経済のことをちゃんと学んでいないから、子どもに教えられないのでは?」と不安に感じられているケースもあります。

たしかに、経済や金融関係に詳しい親御さんの数は限られているかもしれません。

けれど、「親と子どもが、お金について一緒に学んでいこう」「わからないことは『わからない』と認めて、調べながら子どもに伝えていく」という姿勢を持てば、きっと上手くいくでしょう。

お金の話も、親子のコミュニケーションの題材のひとつと受けとめることをおすすめします。

お金の教育を始めるタイミングはいつ?どんなことをすればいい?

お金の教育を始めるタイミングはいつ?どんなことをすればいい?

子どもの成長はそれぞれなので、年齢や学年などで一般化するのは難しいです。

ただ、タイミングのひとつの目安としては「子どもが、お金に関する質問をしてきたとき」が教育のチャンスになります。

たとえば、おままごとの中で「お金って何?」と疑問に感じたときや、テレビで消費者ローンのCMを見て「ローンや借金とはどんな仕組みか?」と関心を持ったりしたときです。

タイミングは子供の成長や興味関心にあわせるとして、そのとき「お金の教育」としてはどのようなことをすればいいのでしょうか?

子どもへのお金の教育1.幼児期には「お買い物ごっこ」

お金の教育で最初のステップになりやすいのは、3、4歳~未就学児ごろでの「お買い物ごっこ」です。

家の中にある物に値段をつけて、友達や家族で「お店の人とお客さん」を演じて、お金のやりとりの練習ができます。

  • 物には値段が付けられる
  • 物に決められた価格と、同額のお金を交換することで、物を手に入れることができる
  • お金を多く払うと、お釣りが戻ってくる

など、大人にとっては当たり前すぎることですが、子どもにとっては未知のことです。

大人のマネをしたがるのが子どもの特性ですので、遊びながら理解を深められます。

ごっこ遊びですから、本物のお金ではなく、おはじきなどを代用すれば数字が読めない子どもでも概念に触れることができます。

お買い物ごっこに慣れてきたら、使用するお金の種類を増やしたり、値段を変化させたりしてステップアップしていくのもいいでしょう。

「お買い物ごっこ」という遊びで慣れることで、本当の「お買い物」での教育にもつなげやすくなります。

子どもへのお金の教育2.日頃のお買い物も学習の機会に

スーパーやショッピングセンターなど、日頃のお買い物シーンは実地学習の場になります。

単に買い与えるだけでは、金銭感覚は養えません。

たとえば、

  • その日の手持ちは、いくら持っているか(予算)
  • 何が必要で買いに来たか(目的)
  • 物によっては、種類があり、価格が異なる(比較・検証)
  • 割引など、現地でしか得られない情報も取り入れる(状況把握)
  • 買うもの・買わないもの・買えないもの等を区別する(判断)

など、家族で話をしながら買い物をしてみるのもいいでしょう。

「欲しいもの」「必要なもの」「買えるもの」は、条件によって異なるものです。

限られたお金をいかに”やりくり”するかを考えることで、身の丈に合った金銭感覚を身につけられます。

子どもへのお金の教育3.おこづかい帳を導入しよう

お金の”やりくり”を繰り返し体験させるのなら、おこづかいを導入して「おこづかい帳」をつけさせましょう。

お金の出納は、大人でも管理できない人が多いので、子どものうちに「おこづかい帳」で慣れさせておくことは有利に働きます。

小さいときや女の子だと、好きなキャラクターやデザインのおこづかい帳だと、モチベーションもあがりやすくなります。

頭ごなしに「おこづかい帳をつけなさい!」と押しつけても、逆に反発されたり、長く続かなくなったりします。

まずは、子どもの興味関心を引き出すことが重要です。

  • おこづかいで、いくらもらったか?
  • 何に、いくら使ったのか?
  • いくら残ったか?また、いくら貯金できたか?

などを記録することで、お金の動きを「見える化」できます。

また、「お金を使ったあと、その買い物は適切だったかを振り返らせる」のも効果的です。

大人でも、つい衝動買いをしてしまうもの。

自制心や我慢を身につけさせるためにも、「自分の行動、お金の使い方についての自己評価」をさせるのは役立ちます。

子どもへの『お金の教育』を効果的にする5つのポイント

子どもへの『お金の教育』を効果的にする5つのポイント

子どもに『お金の教育』をする上で、「絶対に正しいやり方」は存在しません。

子どもの性格や年齢、大人の知識量や教え方など、それぞれの人や家庭、生活状況によって違いがあるので、画一化するのは無理があります。

ただ、押さえておきたいポイントとして5つ、次にまとめました。

『お金の教育』ポイント1.あげっぱなしで放置はダメ

おこづかいの渡し方は、定額制でも不定期性でも、ご家庭に合ったやり方で問題ありません。

大切なのは、おこづかいをあげたあと。
子どもが自力で金銭感覚を学ぶのは、難しいですし、賢い子でも時間がかかります。

放置はせず、子どもがおこづかいをどのように使っているのか、口は出さなくても把握はしておく必要があります。

おこづかい帳を記入させ、たとえば1か月に1回、親子でおこづかい帳を見ながら検証する時間を作るといいでしょう。

計画的にお金を使えているか、もし計画どおりにできなかったのなら何が問題なのかを一緒に考える、というコミュニケーションで子どもは学んでいきます。

『お金の教育』ポイント2.ルールや線引きを決めて守ろう

ルールや線引きとは、「どういうものは子ども自身がおこづかいで買い、大人が買い与えるものはどういうものか」を事前に決めておくことです。

たとえば、子どもと一緒にスーパーに行き、たまたま親の機嫌が良かったからお菓子を買い与えたとします。

また別の日に、子どもがお菓子をねだってきた際「自分のおこづかいで買え」と怒れば、子どもは理不尽さを感じます。

世の中の理不尽さを教えるのが目的ならともかく、「お金の教育」という目的には、感情で左右されずルールや線引きを明確にすることが必要です。

『お金の教育』ポイント3.長続きしないともったいない

物事を身につけるには習慣化が必要であり、習慣化するにはある程度の時間をもって続けなければいけません。

たとえば、せっかくおこづかい帳を用意しても書かなければ意味がありません。

また、「親子でおこづかい帳を見て、使い方をチェックしよう」と決めて、最初の数か月はやったけれど忙しさや面倒さを理由に「親子でのチェック」をだんだん怠るようになれば、習慣化は難しいです。

お金の教育は、子どもの一生に関わるものですし、ひとつの「投資」として時間や労力をかけていくのが望ましいです。

『お金の教育』ポイント4.子どもの性格に合わせよう

子どもの性格はさまざまで、画一的なやり方では上手くいかないことも出てきます。

たとえば、「おこづかい帳をこまめに書くこと」が苦にならない子もいれば、苦手な子もいます。

しかし、もしパソコンやタブレットに興味がある子なら、家計簿アプリやエクセルでの管理は喜んでできるかもしれません。

もらったおこづかいは行き当たりばったりで使い切ってしまう子に、貯金箱を渡したり、部屋に子どもが欲しいものの写真を貼ったりして、貯金の意識付けが上手くいくケースもあります。

大切なのは、大人が最初に決めたやり方を守らせることではなく、子どもの性格に応じてやり方を変え、金銭感覚を身につけてもらうことです。

『お金の教育』ポイント5.基本は、使い方に口を出さず見守る

大人から見るとつまらない物でも、子どもにとっては大事な宝物、ということもあります。

子どものお金の使い方を頭ごなしに否定することは、子どもの価値観を否定することにもつながりかねません。

もちろん、明らかに誤ったお金の使い方をする場合もあるでしょうから、その際は大人として注意が必要です。

けれど、大事な点として「こんな無駄なものを買うなんて!」といった否定を、大人はしないように注意しましょう。

子どもが自分で反省するように促すことが必要なのであって、安易な否定は子どもの自立心を損なうことにつながりかねません。

『お金の教育』は子どもはもちろん、親の成長にもつながる

『お金の教育』は子どもはもちろん、親の成長にもつながる

大人にとっては、ごく当たり前に使う「お金」ですが、いざ子どもに教えようとすると「どう言えばいいのかわからない」といった点が出てくるでしょう。

『お金の教育』は、子どもの成長に必要なものですが、親にとっても自分の不足部分に気づける学習の機会です。

「親子ともにお金について学んでいこう」という親の姿勢は、子どもの学習意欲を育てるだけでなく、親子のコミュニケーションをより良質なものにするでしょう。