いじめ対策に何ができる?早期の気づき方や対処法、子との向き合い方
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いじめは決して放っておいて良い問題ではありません。
いじめを苦にして学校や職場に行けなくなってしまう人も少なくありませんし、生きていることすら難しくなって死を選ぶ人もいます。
いじめ対策として何ができるのか、また、早めに気づく方法や対処法、いじめに悩む子との向き合い方についてまとめました。
目次
いじめ対策は、行為がエスカレートする前に気づく事が大切
良くない習慣を改めることは困難です。
たとえばお箸の持ち方が間違っている場合でも、お箸を持ち始めてすぐの頃なら直しやすいですが、間違った持ち方で10年、20年と過ごしていれば簡単には直せません。
いじめも同様です。
「ちょっとしたからかい」や「なんとなく無視した」などのいじめの芽が見えたときなら、誰かが「そういう態度は良くないよ」というだけでも、いじめに発展せずに済む可能性が高いでしょう。
しかし、何日間、何週間もからかい続けたり無視し続けたりしたときには、誰かが「そういうことは止めようよ」と注意しても、いじめをしている児童本人も引っ込みがつかなくなってしまいます。
いじめ対策でもっとも大切なのは、行為がエスカレートする前に気づいて対応することです。
子どもの様子をよく観察し、以下のような変化が表れていないかチェックしてみてください。
<早期にいじめに気づくためのチェックポイント>
- 不自然なケガが増えていないか
- なんとなく暗い雰囲気をまとっていないか
- ふとした拍子におびえたような態度を取らないか
- 金銭を持ち出していないか
- 学校や塾、お稽古ごとなどの様子を家で言わないようになっていないか
子どもは「いじめ」の相談ができない心理状態かもしれない
子どもが、自分から進んで「学校や塾などで苦しい思いをしている」ということを親に伝えてくれるのなら、早期にいじめに気づくことが可能です。
しかし、普段からなんでも話せる関係を築いていたとしても、いじめに関しては子どもから話してくれないことが多いです。
子どもがいじめについて親に相談しない理由としては、以下の事柄が考えられます。
<子どもがいじめについて親に相談しない理由>
- いじめを受けていることが恥ずかしい
- 親に心配をかけたくない
- 親が先生などに伝えるなら、よりいじめが悪化するかもしれない
いじめへの対処法
いじめを放置しておくと、エスカレートする恐れがあります。
子どもが楽しく学校や塾に通うためにも、いじめに巻き込まれていることに気づいたら、早急に何らかの防止策を取る必要があります。
次の3点について子どもに話し、実践するように励ましましょう。
<子どもがいじめを受けているときの対処策>
- 記録や証拠を残すこと
- ふさぎこまないこと
- 犯罪行為から逃げること
記録や証拠を残す
いじめは「言葉」や「態度」などの証拠が残りにくい方法でおこなわれることが多いため、いじめをした人と話をしても、言った言わないの水掛け論になりがちです。
いじめの記録を毎日つけたり、ケガをしたときは写真を撮って医師の診断を受けたりするようにしましょう。
また、LINEやツイッターなどのSNSで嫌がらせ行為を受けているときは、スクリーンショットを撮っておくことも忘れてはいけません。
いじめている人が後で送信を取り消す可能性がありますので、できるだけ早くスクリーンショットを撮影してください。
いじめの物証があると、学校や警察、弁護士に相談しやすくなります。
学校に録音機などを持っていくことは難しいですが、日記や写真などをこまめに準備しておくようにしましょう。
ふさぎこまない!悪いのは絶対に「いじめ」をする相手
いじめられているときは、「わたしにいじめられる原因があるのかな」とネガティブに考えてしまうことがあります。
また、仲の良い友人や親、先生に相談しても、「いじめられるほうにも問題がある」と逆に責められてしまうことがあるかもしれません。
しかし、どのような場合であっても、悪いのは「いじめをする人」であって、「いじめられている人」ではないということを覚えておきましょう。
万が一、いじめられる生徒に何らかの問題があったとしても、「いじめ」という手段で対応することは間違っているのです。
とりわけ集団からいじめられていると「悪いのはわたしだ」と思いがちですが、いじめをしている人々が悪いという大原則を見失ってはいけません。
犯罪行為からはためらわずに逃げるよう普段から伝える
暴力や恐喝、物品や金銭を奪うこと、持ち物を隠すことは、いずれも日本の法律に触れる犯罪行為です。
犯罪行為を傍観していることも、決して良いことではありません。
犯罪行為からはためらわずに逃げるように、普段から教えておくようにしましょう。
殴られそうになったとき、黙って殴られているのは「勇気」ではありません。
もちろん、殴り返すのも「勇気」ではありません。
すぐにその場から去り、学校内にいるときは教師に、学校外にいるときは警察に知らせるようにアドバイスしてください。
いじめ対策は、何より「相談できる環境づくり」が必要
いじめられているときに、1人で悩んでいても解決することは困難です。
親友や親、教師などの信頼できる人に話すように子どもを励ましてください。
子どもが相談しやすい環境をつくるために、普段から学校のことを聞く時間を設けるようにしましょう。
また、子どもが「お母さん・お父さんなら信用して相談できる」と思えるように、日常生活において以下の点に注意してください。
<子どもが親に相談しやすい環境をつくるためのコツ>
NG例:子「今日、学校で嫌なことがあって…」→親「あなたが悪いんじゃないの?」
NG例:子「今日ね、学校でね…」→親「おしゃべりはいいから、早く宿題しなさい」
NG例:子「上履きがなくなったみたい」→親「いじめ?明日、先生に相談するから」 |
親も相談が必要
「最近、ちょっと子どもの様子が変だな」と思うときは、すぐに先生に相談することは間違ったことではありません。
しかし、親がすぐに「先生に相談するよ」と言ってしまうと、子どもが「親には話せない」と心を開きにくくなる恐れがあります。
できれば、子どもには先生に相談するということを伝えずに、また、先生にも「私が相談したということは、子どもに伝えないでください」と念押ししてから相談するようにしてください。
家庭内や学校で解決することが難しい場合は、いじめ相談の専門機関や教育関連のカウンセラーも活用するようにしましょう。
いじめ対策は、大人と子どもが協力して立ち向かうこと!
いじめは、子どもの力だけで解決できるとは限りません。
保護者や先生などの大人が協力し、いじめ問題が長引かないように対策を練る必要があります。
普段から子どもの声に耳を傾け、子どもの小さな変化にも気づける環境をつくっておきましょう。