外国人の参政権はどうなってる?メリットとデメリットも紹介

日本では外国人の参政権は認められていません。
なぜ認められていないのか、憲法に則ったことなのかについて、メリットとデメリット共に解説します。

日本在住の外国人に参政権は認められていない

日本在住の外国人に参政権は認められていない

参政権とは、その名の通り、政治に参加する権利です。

具体的には、選挙で投票する「選挙権」や選挙に立候補する「被選挙権」、また、憲法改正の「国民投票」や最高裁判所長官の「国民審査」などが含まれます。

国や地方の行政に関わるという意味で、公務員になることも参政権に含めることがあります。

しかし、一般的に参政権というと、「選挙権」と「被選挙権」の2つを指すことが多いです。

日本に在住している外国人の方には、選挙権と被選挙権のいずれも認められていませんので、参政権は認められていないということになります。

「外国人」の定義

日本における外国人とは、日本国籍を持たない人を指します。

外国籍のみ有している人は外国人。

多重国籍を持つ人は、その1つに日本国籍を有しているなら「日本人」とみなされます。

なお、どの国の国籍も持たない無国籍者は、たとえ日本に住んでいても日本人とはみなされません。

ただし、国籍法により、無国籍者同士の子どもが日本国内で誕生したときは、生まれた子どものみ日本国籍が与えられ、日本人になります。

外国人に参政権が認められていない理由

外国人に参政権が認められていない理由

日本で長年暮らしていても、日本国籍を持たない人は外国人とみなされますので、選挙権と被選挙権のいずれの権利も持てません。

たとえ日本に永住する許可を得ていたとしても、日本国籍を取得しない限りは参政権を持てないのです。

では、なぜ外国人には参政権を与えることをしないのでしょうか。理由について見ていきましょう。

外国人参政権は内政干渉を招く恐れがある

政治に参加する権利である参政権を、外国人にも認めるとどのようなことが起こるのかが、よく議論されます。

たとえば、外国人が国の政治に参加できるとなった場合、極論ですが「他国の政府が、人員を送り込んで日本の政治に参加させ、自分たちの都合のいいように影響を与える」ということが可能になります。

これは内政干渉という政治的な問題になり、今の国際社会ではタブーとされています。

日本国憲法と外国人参政権

日本国憲法の第15条では、「公務員を選定し、およびこれを罷免することは国民固有の権利」と明記されています。

選挙は議員という公務員を選ぶ行為ですから、憲法第15条字義通りに解釈すれば、選挙権を持つことは日本国民の権利だということになります。

また、国民「固有」の権利だと記されていますので、選挙権は日本国民だけに与えられる権利ということになります。

つまり、外国人は選挙権を持つことは憲法違反にあたり、選挙権を含めた参政権も持てないと解釈されるのです。

判例でも外国人参政権は認められていない

1989年には日本在住のイギリス人が「参議院選挙で投票できずに精神的苦痛を受けた」と主張しましたが、高等裁判所でも最高裁判所でも棄却されました。

また、1993年には特別永住者の在日朝鮮人が「参議院選挙に立候補できなかった」と訴えましたが、最高裁判所で棄却されました。

その他にも在日韓国人が何度か訴訟し、外国人の参政権をめぐる裁判が行われていますが、いずれにおいても外国人参政権は認められないという判決が出ています。

つまり外国人が参政権を有するには「帰化して日本国籍を獲得」という条件が必須になります。

外国人参政権が認められた事例

外国人参政権が認められた事例

国政選挙権や地方選挙権、国政被選挙権のいずれにおいても外国人の参政権は認められたことがありませんが、住民投票においては外国人の参加が認められたことがあります。

例えば、2002年に滋賀県米原町(現・米原市)では、日本で初めて永住資格のある外国人(永住外国人)の住民投票権を認めました。

その他の地方自治体では、岩手県宮古市や東京都杉並区、千葉県我孫子市、神奈川県逗子市、大阪府岸和田市、奈良県生駒市、兵庫県篠山市などでも、18歳もしくは20歳以上の永住権を持つ外国人に地方参政権を認めています。

先に紹介した最高裁判所で棄却された外国人参政権をめぐる裁判で、判決理由(傍論)では「地方レベルの参政権については法律による付与は憲法上許容される」と記されました。

この傍論は、外国人への人権配慮もあったと思われます。

外国人参政権を認めるメリット

外国人参政権を認めるメリット

2018年末時点で、日本には約273万人の在留外国人が存在しています。

およそ日本に住んでいる人の50人に1人は外国人です。

現時点では外国人には参政権がありませんから、日本に帰化して日本人として参政権を持っている議員を除けば、外国人の立場や意見を当事者として反映できる議員はいません。

しかし、外国人が被選挙権を持ち、議員として国政や地方の政治に関わるようになれば、外国人ならではの目線で日本を変えていくことができます。

外国人議員によって外国人の住みやすい国になれば、日本に住みたいと考える外国人も増えると予想されます。

2011年以降、人口減少が続いている日本ですが、外国人の増加で人口減少の歯止めと労働力の増強が図れるかもしれません。

また、日本政府が積極的にインバウンド事業を行なっていることもあり、日本に居住する外国人だけでなく、旅行や仕事で訪れる外国人も増えています。

どうすれば外国人観光客を増やせるのか、そして、どうすれば外国人観光客によるトラブルを回避できるのかについても、日本人より日本に住む外国人がよく知っています。

つまり、観光客対策も外国人の参政権で解決できる可能性があるのです。

納税に対する不公平感の解消効果も期待できる

日本人かどうかに関わらず、日本に住んでいる限り、日本で税金を納めなくてはなりません。

在日外国人(移民)の中には、日本に多額の納税をしているにもかかわらず、日本の政治に参加できないことは不公平だ、差別だと考えている人もいます。

外国人が参政権を持つことで、納税している外国人も選挙に参加できるようになり、今以上に日本経済の活性化を我がこととして考えるようになると予想されます。

外国人参政権を認めるデメリット

外国人参政権を認めるデメリット

外国人が参政権を持つことには、デメリットがないわけでもありません。

2018年末時点で日本に在留している外国人の28.0%は中国人、16.5%は韓国人で、他の外国人と比べて圧倒的多数を占めています。

人数の多い国の在留コミュニティが後援組織となって選挙が実施されると、アジア圏の中国人や韓国人といった人数の多い国の議員だけが誕生し、人数の多い国の人々の意見だけが反映される恐れがあります。

人数が少ない国の一部の人々は、現在以上に生きにくさを感じるかもしれません。

また、有権者が元々少ない地域に外国人が大挙して移住し、日本の中の小外国として独立した自治権をもつのではないかと危惧する声も聞かれます。

その他の反対意見にも、外国人が政治に影響を及ぼせるようになることで、今以上に犯罪組織が流入しやすくなるのではとの考えもあります。

外国人参政権の今後の動向に注目

日本人口は減少していますが、在留外国人の人数は増えており、2018年末の調査でも過去最高を記録しました。

今後も外国人参政権についての議論が活発になると考えられます。

グローバル化が進む現代において、国籍の意味は薄れてきているのかもしれません。

今後も外国人参政権の動向に注目していきましょう。