自衛隊は階級によって定年年齢が異なる!退官後の実情も含めて紹介

自衛隊員の定年はいつかご存知ですか?

実は、階級によって定年となる年齢が異なります。

自衛隊員の定年年齢と退官後の実情についてまとめました。

自衛隊に興味のある方、そして、自衛官の退職後が気になる方はぜひご覧ください。

自衛隊の階級と定年年齢の一覧!民間より早く迎える定年とは

整列する陸上自衛隊員

自衛隊では、「精強性を維持するため」という必要性から、一般的な民間企業よりも早く定年退職を迎えます。

自衛隊の、階級によって定年年齢が異なる点を、表にまとめました。

階級 定年年齢
統合幕僚会議議長 62歳
陸将、海将、空将、陸将補、海将補、空将補 60歳
1等陸佐、1等海佐、1等空佐 56歳(令和3年1月から57歳)
2等陸佐、2等海佐、2等空佐

3等陸佐、3等海佐、3等空佐

55歳(令和3年1月から56歳)
1等陸尉、1等海尉、1等空尉

2等陸尉、2等海尉、2等空尉

3等陸尉、3等海尉、3等空尉

準陸尉、準海尉、準空尉

陸曹長、海曹長、空曹長

1等陸曹、1等海曹、1等空曹

54歳(令和2年1月から55歳)
2等陸曹、2等海曹、2等空曹、3等陸曹、3等海曹、3等空曹 53歳(令和4年1月から54歳)

<参考:防衛省・自衛隊「防衛省情報検索サービス 自衛官の階級と定年年齢」

<参考:防衛省・自衛隊「自衛官の定年年齢の引上げについて 別紙」

日本の約8割の企業が、役職に関係なく定年年齢を60歳に定めています。

また、65歳まで定年を延長して働くことができる企業も少なくありません。

しかし、陸上・海上・航空自衛隊では、階級によって定年の年齢が決まっています。

将官は60歳以上ですが、佐官や尉官以下の階級は53歳~57歳で定年を迎えてしまうため、定年後の人生が民間企業よりも長くなる傾向にあります。

<参考:生命保険文化センター「定年の年齢は何歳が多い?」

自衛隊は低階級ほど若年齢で退職する仕組み!昇任には受験が必要

整列している海上自衛隊員

自衛隊では、低い階級ほど若くして退職しなくてはいけません。

上位階級なら少しは定年年齢が遅くなりますが、昇任するためにはキャリア試験に合格する必要があり、誰もが簡単になれるわけではありません。

将や将補の定年年齢は民間企業レベルですが、将になれるのは数十人、将補であっても数百人と狭き門です。

また、防衛大学校を卒業しているか、もしくは自衛隊幹部候補生試験に合格しているかの条件も満たす必要があるため、容易に昇任できません。

つまり、総勢20万人以上もの自衛官は、ほとんどの方が佐官以下の階級で定年に到達してしまうことになるのです。

自衛隊では「定員割れ」が続く!採用と定年の年齢が見直しされた

自衛隊の車両

人材を確保することが難しいのは、民間企業だけではありません。

自衛隊も定員割れが続き、より魅力ある職場へと転換することが求められています。

たとえば、YouTubeやSNSなどのツールを使って、「自衛隊の生活は厳しそう」というイメージを払拭するキャンペーンをおこなっています。


<動画引用:自衛官募集チャンネル|令和元年度 自衛官広報動画「自衛隊の ソレ、誤解ですから!」篇 Vol.1

また、少しでも門戸を広げるために、採用年齢と定年年齢の見直しも実施されました。

自衛隊の「採用年齢」の見直し

今まで、自衛官候補生は、採用予定月の1日時点で満18歳以上27歳未満でなくてはいけませんでした。

しかし、平成30年10月1日以降に応募する場合は、採用予定月の1日時点で満18歳以上33歳未満であればOKです。

年齢を引き上げたことで応募できる人が増え、他の仕事を経験した後でも自衛官になる道が開かれました。

また、一般曹候補生は、受ける年の翌年4月1日時点において満18歳以上27歳未満である必要がありました。

しかし、平成31年3月1日以降に応募する場合は、採用予定月の1日時点で満18歳以上33歳未満であればOKです。

実質、約7歳も採用年齢が引き上げられたことで、一般曹候補生の道もさらに広く開かれることになりました。

自衛隊の「定年年齢」の見直し

採用年齢の幅が広げられただけでなく、定年年齢の引き上げも実施され、以前よりも長期間、自衛隊員として働けるようになりました。

統合幕僚会議議長(大将)と陸将・海将・空将(中将)、陸将補・海将補・空将補(少将)の定年年齢は据え置きです。

しかし、1等陸佐・1等海佐・1等空佐以下の定年年齢は、2020年1月以降段階を経て1年ずつ引き上げられ、長く働けるようになっています。

自衛隊で階級に応じた定年年齢を迎えたあとは?苦しい実情

悩んでいる背広姿の壮年男性

ほとんどの自衛官は、53歳~57歳ほどで定年を迎えます。

繰り上げ受給をしない限り、公的年金を受け取るまでには10年ほどの期間があるため、通常は再就職をして、生活を成り立たせます。

自衛官として経験を積んだとしても、高齢者の再就職が難しいという現実は変わりありません。

また、再就職が叶ったとしても、低賃金であったりパート・アルバイトなどの不安定な職であったりする可能性もあり、不安な生活が続くケースがあります。

定年退職者は若年定年退職者給付金が給付される

自衛官は、民間企業と比べると、かなり早期に退職することになります。

かつては、共済年金の特例が適用されて、55歳から公的年金を受け取ることができましたが、現在では特例制度が廃止され、代わりに「若年定年退職者給付金」が受給できるようになりました。

若年定年退職者給付金とは、定年で退職する自衛官、もしくは定年まで1年以内の勧奨退職者に支給されるお金です。

2回に分けて支給され、1回目は退職時に、2回目は退職の翌々年に受け取ります。

若年定年退職者給付金の支給合計額は年収によって異なり、通常は1,000~1,500万円ほどとされています。

しかし、公的年金を受け取る65歳までの期間を生き抜くには、十分な金額とは言えません。

やはり再就職をして、年金を受給できる年までの生活費を稼ぐ必要性は生じます。

自衛隊を退職した後の生き方

自衛隊を退職した後も、人はそれぞれ生活をしていかなくてはならず、必要に応じて収入を確保しないといけません。

「少しでも資産を増やそう」と考えて、株式やFX、不動産などに投資をおこなうケースもあるでしょう。

しかし、相場の波を読めずに、あっという間に財産をなくしてしまうリスクもあります。

一般企業の退職後でも、自衛隊からの退職後でも、安定した生活の確保は必要なのです。

自衛隊では、退職した自衛官の雇用を支えようと、再就職の支援をおこなっています。

参考のひとつとして、陸上自衛隊の『退職自衛官雇用ガイド』では、一般企業の求人を呼びかけています。

自衛隊や警察、消防などのように、公の職務に就くことを「奉職」とも言います。

心身をかけて社会に貢献・奉職した自衛官たちが、退職後に貧困で苦しむようでは悲惨です。

少子高齢化の現代日本では、人材の活用という面で、一般での理解と社会システムの進歩が望まれます。

自衛隊では階級によって定年年齢が異なり、その後の生活に課題がある

自衛隊の定年年齢は、階級によって異なります。

2020年1月から、階級ごとに定年年齢の引き上げが実施されていますが、それでも民間企業よりは早く、多くのケースにおいて退職後に再就職する必要が生じます。

自衛官を志す方は、退職後の生活プランを早めに考えておくほうがよいでしょう。