GAFA規制に動く各国!4大企業に対策をうつ理由や主な内容を説明
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GAFAへの規制をおこなう国が増えています。
GAFAはいずれも世界的企業を指していますが、なぜ企業が規制されるようになってきたのでしょうか。
GAFA規制に取り組み始めた理由や実際の動きについてまとめました。
目次
GAFA(ガーファ)とは
「GAFA」という言葉をニュースなどで目にする機会が増えています。
GAFAとはGoogleとApple、Facebook、Amazonの4つの企業の頭文字を併せた言葉で、いずれも世界的な規模の企業です。
かつて、世界を動かすIT企業として、GAFAにMicrosoft社を加えたGAFAM(ガファム)という略称が使われることがありました。
しかし、その中でも個人情報の収集や活用方法で問題になっている企業がGAFAで、EUやアメリカなどからGAFAを規制しようとする動きが見られるようになってきました。
GAFAの影響力
GAFAの4社、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンは、いずれも知名度が高く、企業としての認知度・ブランド力もあります。
たとえばグーグル社の検索サービスは、利用者数は世界一です。
パソコンで検索する際にグーグルを使用する割合は約88%(2019年10月時点)で、英語圏では、インターネット検索をするという意味で「google」を動詞として使用しています。
日本語でも「ググる」と使うことがあります。
アップル社は、デバイスとサービスの両面から世界に影響を与えています。
アップル社のスマートフォンやタブレット、音楽機器は、いずれも販売前から社会現象を巻き起こしています。
また、独自のOSや音楽配信サービスがあるため、1つのデバイスを購入するとほかのサービスやデバイスも連鎖的に使うようになるケースが多いです。
世界を圧倒する企業たち
SNSサービスを提供しているフェイスブック社では、月間のアクティブユーザー数は約23億8,000万人(2019年3月末時点)と報告しています。
世界の3分の1もの人が利用している計算です。
一方、アマゾン社は、ロボットを用いた倉庫管理や、即日配送などの効率化を高めるさまざまな取り組みをおこなう、インターネットショッピングサービスで知られる企業です。
2018年度の売上は2,328億ドル超(1USドル=110円とすると25兆円超)で、純利益は100億ドル超(同1兆円超)です。
日本の国家予算は年間100兆円ほどですから、アマゾンが持つ世界経済への影響は計り知れないと言えるでしょう。
GAFA規制の動きが世界で進む理由
世界に多大な影響を与えるGAFAですが、影響力の大きさゆえ、規制しようという動きも出てきています。
とりわけ問題視されているのが、GAFAが扱う個人情報の管理です。
いずれの企業もインターネットで個人情報を扱うため、サイバー攻撃を受けて流出する恐れがあります。
また、個人情報を自社サービスの向上に使用する場合であっても、好ましくない形で個人情報が外部に流出する可能性があるでしょう。
GAFA規制:EUの動き
EUでは、独占販売を禁じ、経済活動において公平な競争がおこなわれるように「EU競争法」という法律を施行しています。
2015年には、グーグル検索で商品の価格を調べると、グーグルが運営するショッピングモールの商品が優先的に表示されていたため、EUはグーグルに警告をおこない、2017年、2018年とグーグル社に制裁金を支払うように命じました。
また、2018年5月には、「EU諸国の人々の個人情報はEU圏外に持ち出してはいけない」と定める欧州一般データ規制(GDPR)を発効しました。
世界中がインターネットによってつながっていても、個人情報に関してはEUとEU以外に分けるようにと、GAFAなどのIT企業に要請したのです。
ほかにも、IT企業に対する税制度の整備も進めています。
GAFA以外にもEUに拠点を置かずに利益を上げている企業が多いため、売上の一部を税金として納め、EU内で公平な競争をおこなう土壌をつくる動きが見られています。
GAFA規制:アメリカの動き
アメリカでもGAFAに代表されるプラットフォームビジネスを規制し解体しようという動きが表れています。
たとえばアマゾン社のデバイスを利用すると、常にアマゾンドットコムで販売されている商品が表示されるなら、消費者を囲い込むことになってしまいます。
つまり、世界規模のプラットフォームを持つ企業は、容易に市場を独占する環境にあるため、公平な競争をしなくなる可能性が高いのです。
GAFAではありませんがマイクロソフト社は、1996年、アメリカの司法省から独占禁止法違反で訴訟を起こされました。
「マイクロソフト社のOS・Windowsが世界でも圧倒的なシェアを占めている事実を利用して、人々にマイクロソフト社以外のソフトウェアを利用する機会を奪っている」と司法省から指摘を受け、和解までに実に5年もの年月がかかったのです。
GAFA規制:日本での動き
日本でも、GAFAなどの巨大IT企業を規制しようという動きが起こっています。
2018年11月には経済産業省と総務省、公正取引委員会がデジタルプラットフォーマーの取引環境を整備するために集まり、論点を公開しています。
個人情報の取扱や独占・寡占を防ぐための法整備に加えて、国際的な流れについても検討しました。
また、アマゾン社のポイント還元サービスも問題視しています。
アマゾンでは商品価格の1%以上を消費者にポイントとして還元するサービスに取り組む予定ですが、ポイント分はアマゾンではなく出品側に負担させようとしていたのです。
つまり、出品者側がアマゾンという巨大プラットフォームに頼らなくてはいけないという足元を見た値下げ強要のシステムとも取れ、公正な取引がおこなわれない可能性があると指摘しています。
GAFA以外の巨大IT企業
世界に多大な影響を及ぼしている企業はGAFAやGAFMAだけではありません。
世界トップ規模の動画配信サービス・NetflixとFacebook、Amazon、Googleの4社の頭文字を併せて「FANG」と総称する企業群も、ビッグテック(巨大ハイテク企業)として知られています。
また、経済的急成長を見せる中国のIT企業をまとめて「BAT」と呼ぶことがあります。
Bは検索エンジンのバイドゥ、AはECサイトのアリババ、TはSNSサービスのテンセントのそれぞれ頭文字で、中国を代表する巨大企業です。
GAFA規制は優位な大企業による不公平な契約を防ぐためのもの
巨大企業による市場独占を禁止するために、GAFAに代表されるIT企業を規制する動きが世界的に見られています。
また、規制することで個人情報の流出を守り、税制度の見直しを図ることも期待されています。
今後も、世界や日本における巨大企業への規制や対応について注目していきましょう。