公職選挙法とは?意味や内容、違反行為や罰則などを簡単に説明

選挙が間近になると、候補者たちのさまざまなスキャンダルが取り沙汰されます。

とりわけよく耳にするのが「公職選挙法違反」という言葉なのではないでしょうか。

この記事では公職選挙法とは何か、内容や違反、罰則などについてわかりやすく解説します。

公職選挙法とは

公職選挙法とは

公職選挙法とは、その名の通り「公職」を選挙するときに適用される法律です。

「公職」には、警察官や市役所職員などの公務員や公立学校の教師など、さまざまな種類の職業があります。

その中でも選挙で選ばれる「公職」といえば、国会議員や地方議員、知事、市区町村長などの政治家です。

つまり、公職選挙法とは、政治家の選挙において適用される法律を指しています。

公職選挙法で決められている内容

公職選挙法で決められている内容

公職選挙法では、選挙権と被選挙権、選挙区域、選挙人名簿、選挙期日、選挙運動の費用などについて規定しています。

また、選挙権と被選挙権を喪失するケースや、各規定が守られなかったときの罰則についても定められています。

なお、かつてはインターネットを使った選挙運動は禁止されていましたが、2013年に公職選挙法が改正され、条件付きで可能になりました。

以下に主な内容についてまとめました。

選挙権と被選挙権

満18歳以上の日本国民は、選挙で投票する権利「選挙権」を持ちます。

厳密には、生まれてから18回目(生まれた当日は除く)の誕生日前日の午前0時以降に実施される選挙に関しての投票が可能です。

ただし、地方選挙においては、満18歳以上であることと3ヶ月以上、同じ市区町村内に住所があることも求められます。

一方、立候補できる権利「被選挙権」は、公職の種類によって年齢条件が異なります。

ただし、都道府県議会議員と市区町村議会議員に関しては年齢条件に加えて3ヶ月以上同じ市区町村に住所があることも求められます。

<被選挙権の年齢条件>

国政選挙 地方選挙
  • 参議院議員:満30歳以上
  • 衆議院議員:満25歳以上
  • 都道府県知事:満30歳以上
  • 市区町村長:満25歳以上
  • 都道府県議会議員:満25歳以上
  • 市区町村議会議員:満25歳以上

選挙権と被選挙権を喪失するケース

選挙権と被選挙権は、日本国民であり一定の年齢条件を満たすなら獲得できる権利です。

しかし、以下のいずれかに該当する場合は、選挙権と被選挙権を喪失します。

<選挙権と被選挙権を喪失する場合>

  • 禁固刑以上の刑を受け、執行が済んでいないとき(執行猶予中は除く)
  • 公職に就いているときに収賄罪によって刑に処せられ、実刑経過後5年以内(被選挙権に関しては10年以内)のとき、あるいは執行猶予中のとき
  • 選挙に関する犯罪によって禁固刑以上の刑を受け、執行猶予中のとき
  • 政治資金規正法違反により、選挙権と被選挙権を停止されているとき

選挙の方法

公職の選挙は、任期が終了する日までの30日以内におこなわれます。

解散によって衆議院議員選挙がおこなわれる場合は、解散から40日以内におこなわれます。

なお、投票時間は原則として7:00~20:00です。

選挙をおこなっても当選人数が定員数に満たないときは、「再選挙」が実施されます。

また、当選して公職に就いている人が死亡あるいは退職したときは、繰り上げ当選となりますが、繰り上げ当選に該当する人がいないときは「補欠選挙」がおこなわれます。

選挙運動の費用

公職選挙法では、選挙運動で使用できる費用の上限額が定められています。

上限額以上の費用を使用した場合は出納責任者が責任に問われ、出納責任者の刑が確定したときは、該当する候補者の当選が無効になります。

<選挙費用の例>

国政選挙 地方選挙
  • 参議院議員(比例代表制):5,200万円
  • 衆議院議員(小選挙区制):名簿登録者数×15円+1,910万円
  • 都道府県知事:名簿登録者数×7円+2,420万円
  • 指定都市の長:名簿登録者数×7円+1,450万円
  • 指定都市以外の市長:名簿登録者数×81円+310万円
  • 町村長:名簿登録者数×110円+130万円

※上記の金額に供託金は含まれません。

また、経費として計上されるものは選挙費用に含めないで良い場合もあります

インターネットを使った選挙運動

ホームページやブログ、SNS、動画中継などを利用した選挙運動が可能になりました。

ただし、候補者と政党は電子メールによる選挙運動をおこなうことができますが、有権者は電子メールで選挙活動をしてはいけません。

なお、ラインは電子メールではないため、有権者の選挙運動に活用できます。

また、政党は有料ネット広告を掲載することもできます。

公職選挙法に違反するケース

公職選挙法に違反するケース

公職選挙法違反となる、よくあるケースを紹介します。

  • 買収

公職選挙法第221条では買収行為が禁じられています。

たとえば、特定の候補者へ票を入れることをお願いする目的で、金銭を渡したり接待したりする行為は、公職選挙法違反に該当します。

また、「当選したら昇進させる」のように、選挙終了後に報酬を与えることを約束して選挙活動を手伝わせることも公職選挙法に違反する行為です。

  • 飲食物の提供

有権者に飲食物を提供することは、公職選挙法第139条に違反する行為です。

一般的なお茶や、通常用いられる範囲のお茶菓子や果物、選挙運動員に渡す一定数の弁当は除外されます。

しかし、接待とも受け取れるような飲食物を提供することはいけません。

また、有権者が候補者や選挙運動員に飲食物を提供する行為も、公職選挙法違反に該当します。

  • 寄付

公職選挙法第199条2では、候補者や現職の政治家は選挙区内で寄付行為をおこなうことはできないと定められています。

お歳暮や病気のお見舞い、合格祝い、出産祝いなども寄付行為と判断されるため、選挙期間中や公職に就いている間は注意が必要です。

ただし、政治家自身が出席する結婚式や葬式などで祝儀・香典を渡すことは、公職選挙法違反行為とはみなされません。

公職選挙法に違反するとどんな罰則がある?

公職選挙法に違反するとどんな罰則がある?

公職選挙法第221条で記載されている買収行為をおこなうと、3年以下の懲役か禁固、もしくは50万円以下の罰金に処されます。

また、第222条では、「多数の人に買収行為をおこなった場合は、5年以下の懲役か禁固」、「候補者自身が多数の人に買収行為をおこなった場合は、6年以下の懲役か禁固」に処されるとなっています。

正しく選挙活動をおこない、公職選挙法に違反しないように注意しましょう。

公職選挙法は選挙に関わる事柄を定めた法律!違反には罰則もあり

公職選挙法では、選挙に関わる事柄が定められています。

違反行為をした場合は逮捕され、起訴が決定すると刑事裁判に発展し、有罪が確定すると禁固刑や罰金刑に問われることもあります。

選挙活動に関わるときは、公職選挙法に違反する行為は何なのかについても知っておきましょう。