日本の国会議員の人数を知ってますか?実は他国と比べて少なめ
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日本の国会議員は何人いるのかご存知ですか?
学校で習った情報を覚えていたとしても、実は国会議員の定員は頻繁に変わるため、現状とは異なっているかもしれません。
また、国会議員の多さが話題になることもありますが、本当に人数は多いのでしょうか?
国会議員の数は何人か、海外と比べて多いのかについてまとめました。
目次
日本の国会議員の人数
国会議員の人数は頻繁に変わります。
たとえば、参議院と衆議院の二院制になってからの、定員変更を見ましょう。
衆議院の定員は、昭和の間だけでも6回、平成では3回以上変わっています。
参議院の定員は、昭和に2回、平成で2回以上変わっています。
2020年5月時点では、衆議院の定員は465人で、参議院の定員は248人で、合計713人です。
なお、すべての国会議員が、選挙のたびに入れ替わるわけではありません。
参議院は、3年ごとに定員の半数である124人が任期を迎え、参議院選挙において新たな124人が選出されます。
一方、衆議院は、衆議院選挙のたびに全員が免職となり、全員が新たに選び直されます。
また、辞職や死亡により国会議員に欠員が生じたときは、定員人数を補充します。
たとえば、比例代表制で衆議院議員に選ばれた議員が、辞職あるいは死亡したときは、同じ比例代表区の同じ政党で次点であった人が繰り上げ当選となります。
同じく、比例代表制で参議院議員に選ばれた議員が、辞職・死亡したときは、同じ政党で次点であった人が繰り上げ当選となります。
国会議員の選び方
国会議員は選挙によって選ばれます。
しかし、すべて同じ選挙方式で選ばれるわけではありません。
衆議院議員は、一度の選挙で定員である465人すべてを決定しますが、465人のうち289人は小選挙区制で選ばれ、176人は比例代表制で選ばれます。
一方、参議院議員は、一度の選挙で定員人数の半分に相当する124人が決まります。
124人のうち、74人は選挙区制で選ばれ、50人は比例代表制で選ばれます。
衆議院議員の選び方
衆議院解散が決定すると、すべての衆議院議員は免職となり、新たな衆議院議員が選挙によって選ばれます。
衆議院議員の定員人数、465人のうちの289人は、小選挙区制で選出されます。
小選挙区制とは、日本全体を289の小選挙区に分け、獲得した票数に従って各選挙区から1人の議員を選ぶ方法です。
小選挙区制では、地域から支持を集めている候補者ならば、政党に関わらず当選する可能性があります。
しかし、各選挙区において一人しか衆議院議員になれませんので、「得票数が2位以下の候補者を支持する選挙区民の声は、政治に反映されにくくなってしまう」というデメリットがあります。
比例代表区では候補者ではなく政党で選ぶ
衆議院議員の定員人数の、残りの176人は、比例代表区制で選出されます。
比例代表区選挙では、選挙者は候補者名ではなく政党名を記入します。
日本全体を11の地域ブロックに分け、ブロックごとに自由民主党や社会党、共産党などの政党の支持率を集計し、支持率に従って各政党の議員人数は何人が適当なのかを決定します。
そして、11の地方のブロックすべての政党支持率を算出した後に、各政党で決めている比例代表区の候補の当選順位に従って当選者が決まります。
たとえば、比例代表区制でA政党の衆議院議員定数が5人、B政党の衆議院議員定数が8人と決定したとしましょう。
この場合では、A政党内で決めていた当選順位の上位5人までが衆議院議員になり、B政党内で決めていた当選順位の上位8人までが衆議院議員になるのです。
なお、政党内の当選順位の上位者であっても、小選挙区制で当選が決まった候補者に関しては除外されます。
たとえば、A政党の衆議院議員定数が5人と決まっても、A政党内の当選順位の1~5位のすべての候補者が小選挙区制で当選していた場合は、当選していない候補者の中から当選順位に従って5人が衆議院議員になります。
参議院議員の選び方
参議院議員は、3年ごとに半数の人数の124人が選挙によって入れ替わります。
124人のうち74人は、大選挙区制(選挙区制)で選ばれます。
「1つの選挙区で、1人の議員を決定する」小選挙区制とは異なり、大選挙区制では都道府県で分けた45の区(徳島県と高知県は2県で1区、鳥取県と島根県も2県で1区)ごとに1~6人の議員定員数が決まっています。
たとえば、定員数3の選挙区では、得票数を獲得した上位3人が参議院議員としての議席を確保します。
124人のうちの50人は、比例代表区制で選ばれます。
全国を1つの選挙区とみなし、選挙によって政党の支持率を算出します。
支持率から議員数が決定し、各政党内の当選順位の上位候補者から順に当選が決定するのです。
たとえば、Cという政党が比例代表区制で7つの議席を確保したとしましょう。
C政党内の当選順位の上位7人は参議院議員となりますが、選挙区制ですでに当選が確定している候補者は除外します。
そのため、当選順位の上位から選挙区制で当選が決まっていない7人の候補者が、参議院議員になるのです。
諸外国の国会議員数
国会議員の仕事は多岐にわたります。
法案を提案して法律を作成し、国家予算を決定し、内閣総理大臣を選出します。
また、参議院は6年ごと、衆議院は4年ごとあるいは衆議院解散のたびに選挙がありますので、選挙活動もしなくてはなりません。
現在の国会議員の人数は、両院あわせて713人ですが、この人数は多いと言えるのでしょうか?
諸外国の国会議員の人数や、人口当たりの人数と比べてみましょう。
国会議員の人数 | 人口100万人あたりの国会議員の人数 | 女性議員比率 | |
---|---|---|---|
日本 | 713人 | 5.6人 | 13.8% |
イギリス | 1,448人 | 21.9人 | 28.9% |
アメリカ | 535人 | 1.6人 | 23.8% |
中国 | 2,975人 | 2.1人 | 24.9% |
韓国 | 298人 | 4.5人 | 17.1% |
イギリスの国会議員
イギリスは日本と同じく、二院制の国会です。
イギリスは、約6,600万人の人口に対して1,448人もの国会議員がいるため、人口100万人あたりの議員数が21.9人と多く、割合だけを見ると日本の約4倍です。
日本の参議院に該当するのが「貴族院」で、衆議院に該当するのが「庶民院」です。
衆議院と同様、庶民院には優越が認められており、庶民院で可決した法案は貴族院が否決しても法律になります。
ただし、選挙で選ばれる参議院とは異なり、イギリスの貴族院は、一部例外を除いて、世襲制です。
定年はありませんので、適度な頃を見計らって次の代に議席を譲ります。
なお、世襲制以外の貴族院は、一代限りの貴族(一代貴族)か聖職者の代表(聖職貴族)のいずれかです。
アメリカの国会議員
2019年の統計時点で、アメリカには3億を超える人口がいるにもかかわらず、国会議員の人数は535人しかいません。
そのため、人口あたりの議員人数も少なく、日本の3分の1以下の割合となっています。
アメリカも二院制で、上院と下院があります。
上院議員は州ごとに2人が選出されるため、定員は100人です。
一方、下院議員は州の人口に比例して州ごとに定員数が決まっており、総計で435人です。
日本の国会議員の人数は、実は多くない
アメリカと比べると、確かに日本の国会議員の人数は多いですが、世界的に見ると特別多いというわけではありません。
選挙区による一票の格差をなくすために、今後も定員数が増減すると考えられます。
国会議員の人数は何人なのかについては、社会教養として覚えておくといいでしょう。