男女格差が過去最低「世界121位」の日本|世界との比較

日本でも男女格差をなくす取り組みがおこなわれていますが、まだまだ世界的に見るとジェンダーギャップ後進国だと言わざるを得ません。

日本の何が問題なのか、格差解消のために何ができるのかについてまとめました。

男女格差の指標であるジェンダーギャップ指数とは

男女格差の指標であるジェンダーギャップ指数とは

2019年12月17日に世界経済フォーラムで発表されたところでは、日本における男女格差を示す2020年版ジェンダーギャップ指数は0.652で、世界153ヶ国中のランキングは121位と過去最低の順位(2018年は110位)となっています。

ジェンダーギャップ指数とは世界経済フォーラムが年に1度、発表している指数で、政治と経済、教育、健康の4つの分野でどれだけ性別による差が生じているのかを示すものです。

男性・女性の差がないときは「1」、差が大きくなればなるほど「0」に近づきます。

日本のジェンダーギャップ指数の内訳

日本のジェンダーギャップ指数が低い原因は、主に政治面の不平等にあります。

2020年のスコアも政治面が0.049(144位)と特別低く、全体のスコアを下げる役割を果たしています。

政治面の男女格差が低いのは、日本の閣僚に調査当時(2019年1月)女性が1人しかいなかったことが主な原因です。

日本はとりわけ政治参加の分野において、男女間の格差が大きいと言えるのです。

2020年のスコア 2006年のスコア
政治 0.049(144位) 0.067(83位)
経済 0.598(115位) 0.545(83位)
教育 0.983(91位) 0.986(60位)
健康 0.979(40位) 0.980(1位)

<参考:内閣府「共同参画 2020年2月 No.131」>

男女間の賃金格差が残る日本

また、経済分野での男女格差も気になります。

経済では男女の賃金格差や収入格差、管理職や専門職、技術職における男女比でジェンダーギャップを算出しますが、日本では依然として賃金格差が大きく、2018年時点でも、男性の賃金を100とすると女性の賃金は70強に過ぎません。

徐々に経済的なジェンダーギャップは減りつつあるとはいえ、実態として大きな差が残っています。

1998年 2008年 2018年
男性を100としたときの女性の賃金 63.9 67.8 73.3

<参考:労働政策研究・研修機構「男女間賃金格差 統計表」

子どものうちは男女平等なのに大学進学を機に格差が広がる

日本では、男女の区別なく同じ教育制度が実施され、同じ初等教育が与えられます。

もちろん、高等教育においても「女性だから必要はない」という考え方は文化的に主流ではなく、進学システムにも男女差はありません。

2016年度の調査では、高等学校への進学は女性のほうが若干多く、男女差はほとんどないことが分かります。

しかしながら、高等学校卒業後の進学状況から、男女差が顕著になってきます。

大学進学率は男性が女性よりも7%以上大きく、大学院への進学に関しては男性が2倍強と大きな差が存在しています。

この差が、専門職や技術職へ就職する男性の割合の多さにつながっているとも見ることができるでしょう。

男性進学率 女性進学率
高等学校 96.3% 96.9%
専修学校 18.9% 25.8%
大学 55.6% 48.2%
大学院(大学卒業後そのまま進学する場合のみ) 14.7% 5.9%

<参考:男女共同参画局「学校種類別進学率の推移」

世界の先進国との比較

世界の先進国との比較

世界の先進国と比べると、日本はどの程度、ジェンダーギャップのある国なのでしょうか。

2019年12月に発表されたジェンダーギャップ指数(2020年版)からG7の国々と比較してみましょう。

G7参加国 ジェンダーギャップ指数(順位)
ドイツ 0.787(10位)
フランス 0.781(15位)
カナダ 0.772(19位)
イギリス 0.767(21位)
アメリカ合衆国 0.724(53位)
イタリア 0.707(76位)
日本 0.652(121位)

<参考:World Economic Forum「Global Gender Gap Report 2020 p.9」

先進国の中でも、日本は圧倒的にジェンダーギャップ指数が低い国であることが分かります。

なお、2020年度のジェンダーギャップ指数1位はアイスランド、2位はノルウェー、3位はフィンランドです。

男女格差はなぜ問題なのか

男女格差はなぜ問題なのか

男女格差があるということは、生まれたときの性別で幸福度や可能性がある程度決まってしまうということです。

本人が「何をしたいか」「どう生きたいか」「どのような才能を持っているか」に関わらず、女性だというだけで、したいことをできず、才能を活かせないまま生きなくてはならないということになるのです。

現在、日本ではとりわけ政治面と経済面において顕著な男女格差が見られています。

女性の閣僚が少ないということは、女性の考えが政治に反映されにくいということでもあります。

また、女性の賃金が低いということは、女性が会社において重要な役割を果たしていることが少ないということを示しています。

社会での男女格差が家庭生活に影響を及ぼす可能性もある

女性が賃金の低さゆえに、家庭での発言力を抑えられている可能性もあります。

労働に従事している時間が男性と同じ程度であっても、「あまり稼いでいないのだから」という理由で、家事や育児の負担を一方的に押し付けられることにもなりかねません。

育児や家事に男女が等しく取り組むためにも、まずは社会で男女格差をなくし、男性と同程度の経済力を身につける必要があるのです。

男女格差解消のための日本の取り組み

男女格差解消のための日本の取り組み

世界的に見ても、日本のジェンダーギャップの大きさは群を抜いています。

もちろん、日本がジェンダーギャップのない男女対等な国に近づくために、政府も手をこまねいているわけではありません。

たとえば内閣府・男女共同参画局では、平成28年度から女性役員育成のためのモデルプログラムを策定しています。

女性役員が増えると、結果として経済的なジェンダーギャップ、そして、政治的なジェンダーギャップも少しは解消されることが期待できます。

また、国立女性教育会館では、女性研究者を支援するセミナー開催や情報発信に取り組んでいます。

女性研究者が増えることで専門職に就く女性も増え、経済におけるジェンダーギャップの解消を目指せるでしょう。

男女格差の是正にはひとりひとりの意識の変化が必要

「女性は家事や育児をするべき」と言いつつ「男女同権だから女性も仕事をしろ」というダブルスタンダードの男性や「女性だから」と低い立場や年収に甘んじる女性がいる限り、格差はいつまで経っても解消されません。

政府や関連機関、企業での男女格差解消の取り組みも重要ですが、ひとりひとりの意識の変化も必要なのです。